日本近海の海流(月概況)

平成29年12月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2017年11月)

  • 黒潮は、大蛇行していました。
  • 黒潮は、11月を通して沖縄の北西180~190km付近を流れていました。都井岬では、上旬、中旬は離岸、下旬は接岸して流れていました。足摺岬、室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、上旬は北緯31度、東経138度付近、中旬、下旬は北緯31度、東経138.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、上旬は八丈島の南、中旬、下旬は三宅島と八丈島の間を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、上旬、中旬は東経148度以東、下旬は北緯41.5度、東経148度付近でした。親潮の面積は、上旬は平年よりかなり小さく、中旬、下旬は平年より小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、月を通して平年よりかなり強くなっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2017年11月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2017年11月)

この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。 海氷で覆われているため海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2017年11月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 190km付近 180km付近 180km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.2度、東南東 北緯30.1度、南東 北緯30.1度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯31度、東経138度 北緯31度、東経138.5度 北緯31度、東経138.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 八丈島の南 三宅島と八丈島の間 三宅島と八丈島の間
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 接岸
その他の顕著な現象 東海沖では、上旬に北緯32.5度、東経137.5度付近、中旬、下旬に北緯32.5度、東経138度付近に冷水渦がみられた
南大東島付近では、下旬に北緯26度、東経131度付近に冷水域がみられた
先島諸島の東では、上旬に北緯24.5度、東経126.5度付近に冷水渦がみられた
先島諸島近海では、中旬に北緯24.5度、東経126度付近、下旬に北緯25度、東経126度付近に冷水域がみられた
先島諸島の南では、中旬に北緯22度、東経124.5度付近、下旬に北緯22度、東経123.5度付近に暖水域がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2017年11月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 東経148度以東に後退(北緯42.5度、東経149度付近) 東経148度以東に後退(北緯42度、東経149度付近)(図中A) 北緯41.5度、東経148度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯38.5度、東経142.5度付近、北緯41.5度、東経147度付近から北緯38.5度、東経146度付近にかけて 北緯41.5度、東経144.5度付近、北緯42度、東経146.5度付近から北緯38度、東経145.5度付近にかけて 北緯42度、東経144度付近、北緯41.5度、東経145.5度付近、北緯40.5度、東経147度付近
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年より小さい 平年より小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143度付近(平年並) 東経143.5度付近(平年並)(図中B) 東経143.5度付近(平年並)(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯37.5度付近(平年より南)(経度は東経144度付近)(図中C) 北緯38度付近(平年並)(経度は東経144度付近) 北緯37度付近(平年より南)(経度は東経147度付近)
その他の日本の東の海流 三陸沖では、上旬に北緯38.5度、東経144.5度付近、中旬に北緯39度、東経144度付近、下旬に北緯39度、東経143.5度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐付近から北西に流れ、北緯38度、東経131.5度付近から東北東に流れていた
能登の北西の北緯39度、東経136度付近から北に流れ、北緯40.5度付近から東に流れ、東経138度付近から南南東に向きを変え、秋田沖の北緯39度、東経139度付近から北に流れ、北緯41.5度付近で東に流れ、津軽海峡に達していた
若狭湾沖には反時計回りの流れが、檜山沖には時計回りの流れがそれぞれみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年よりかなり強い 平年よりかなり強い 平年よりかなり強い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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