日本近海の海流(月概況)

平成30年5月21日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2018年4月)

  • 黒潮は、大蛇行していました。
  • 黒潮は、月を通して、沖縄の北西180km付近を流れていました。都井岬では、月を通して接岸して流れていました。足摺岬では、月の前半は接岸、月の後半は離岸して流れていました。室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、上旬は北緯30.5度、東経138度付近、中旬は北緯30.5度、東経137.5度付近、下旬は北緯30.5度、東経138.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、月を通して三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、上旬は北緯41度、東経145度付近、中旬は北緯41度、東経144度付近、下旬は北緯40.5度、東経144度付近でした。
  • 親潮の面積は、月を通して、平年よりかなり小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、月を通して、平年より弱くなっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2018年4月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2018年4月)

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2018年4月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 180km付近 180km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.1度、東南東 北緯29.6度、東南東 北緯29.7度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 旬の前半は接岸、後半は離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯30.5度、東経138度 北緯30.5度、東経137.5度 北緯30.5度、東経138.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 東海沖では、上旬、中旬に北緯32.5度、東経137.5度付近、下旬に北緯32.5度、東経138度付近に冷水渦がみられた
奄美群島の南東では、上旬に北緯27.5度、東経131度付近、中旬に北緯27度、東経131度付近、下旬に北緯26.5度、東経131度付近に暖水渦がみられた
先島諸島の東から南では、上旬に北緯24.5度、東経127.5度付近、中旬に北緯24.5度、東経127度付近、下旬に北緯23度、東経125度付近に暖水渦がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2018年4月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯41度、東経145度付近 北緯41度、東経144度付近(図中A) 北緯40.5度、東経144度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯40.5度、東経142.5度付近 北緯39.5度、東経146.5度付近 北緯39度、東経146度付近
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経142度付近(平年並)(図中B) 東経142度付近(平年並)(図中B) 東経142度付近(平年並)(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経142度付近) 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経143.5度付近))(図中C) 北緯36.5度付近(平年並)(経度は東経144度付近)
その他の日本の東の海流 本州東方では、上旬に北緯38.5度、東経144.5度付近、北緯38度、東経148度付近、北緯37.5度、東経143度付近、中旬に北緯38.5度、東経144.5度付近、北緯38度、東経148度付近、北緯37.5度、東経142.5度付近、下旬に北緯39度、東経144度付近、北緯38度、東経147.5度付近、北緯37度、東経142.5度付近に、暖水渦がそれぞれみられた
釧路沖では、上旬に北緯41度、東経145.5度付近、中旬、下旬に北緯41度、東経146度付近に暖水域がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北の北緯36.5度、東経133.5度付近から東南東に流れ、山陰沖東部の北緯36度、東経135度付近から若狭湾沖を北北東に流れていた
能登半島の西の北緯37.5度、東経135.5度付近から北東に流れ、北緯39.5度、東経137.5度付近から東南東に流れ、秋田沖の北緯39度、東経138.5度付近から北に流れ、北緯41度付近から東に流れて津軽海峡に達していた
対馬暖流の勢力(※7 平年より弱い 平年より弱い 平年より弱い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

このページのトップへ