日本近海の海面水温(月概況)

平成30年5月21日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2018年4月)

  • 日本海では、海面水温が平年より低くなっていました(図中A)。
  • 釧路沖、三陸沖、常磐沖、関東の東では、海面水温が平年より高くなっており、平年よりかなり高い海域もみられました(図中B)。
  • 紀伊半島の南から東海沖では、海面水温が平年より低くなっていました(図中C)。
  • 伊豆諸島近海、四国沖、種子島近海から沖縄諸島近海、沖縄の東では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中D)。
  • 九州西方では、海面水温が平年より高くなっており、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。
  • 父島近海、南鳥島近海の北緯25度以北では、海面水温が平年より高くなっていました(図中F)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2018年4月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2018年4月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本海では、3月下旬に引き続き、海面水温が平年より低くなっていました(図中A)。秋田沖から佐渡沖、日本海南部では、下旬に海面水温が平年より高い海域が広くみられるようになりました。

釧路沖、三陸沖、常磐沖では下層の暖水の影響で、関東の東では黒潮系暖水の影響で、3月下旬に引き続き海面水温が平年より高くなっており、平年よりかなり高い海域もみられました(図中B)。関東の東では、下旬に平年より風が弱く、暖かい空気に覆われたことも加わり、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。

紀伊半島の南から東海沖では、黒潮の大蛇行の影響で、海面水温が平年より低くなっており、上旬、中旬には平年よりかなり低い海域もみられました(図中C)。

伊豆諸島近海、四国沖、種子島近海から沖縄諸島近海、沖縄の東では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中D)。これらの海域では、下旬に平年より日射量が多く、風が弱かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。

九州西方では、海面水温が平年より高くなっており、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。この海域では、上旬は平年より日射量が多かったこと、下旬は暖かく湿った空気の影響により、上旬と下旬に海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。

父島近海、南鳥島近海の北緯25度以北では、海面水温が平年より高くなっていました(図中F)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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