日本近海の海面水温(月概況)

平成30年10月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2018年9月)

  • オホーツク海南部、日本海北部では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中A)。
  • 日本海南部では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中B)。
  • 本州東方では、海面水温が平年より高くなっていました(図中C)。
  • 関東南東方では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中D)。
  • 伊豆諸島北部から遠州灘にかけての海域では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。
  • 紀伊半島の南から東海沖では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。
  • 東シナ海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中G)。
  • 四国沖、沖縄の東では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中H)。
  • 父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より高い海域が広くみられました(図中I)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2018年9月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2018年9月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部、日本海北部では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中A)。これらの海域では、8月下旬に引き続き、9月上旬は海面水温が平年より低い海域が広くみられましたが、中旬に平年より日射量が多かったことや、下旬に平年より風が弱かったことにより、下旬には海面水温が平年より高い海域が広がりました。

日本海南部では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中B)。この海域では、上旬に平年より風が強く日射量が少なかったことから、海面水温が平年より高い海域が縮小しましたが、中旬に平年より風が弱かったことにより、下旬には海面水温が平年より高い海域が拡大しました。

本州東方では、海面水温が平年より高くなっていました(図中C)。この海域では、中旬に寒気の影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しましたが、三陸沖では、下層の暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高い海域が引き続きみられました。

関東南東方では、平年より日射量が多かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中D)。

伊豆諸島北部から遠州灘にかけての海域では、黒潮や黒潮から分かれた暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。

紀伊半島の南から東海沖では、黒潮の大蛇行の影響で、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。

東シナ海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中G)。この海域では、中旬に平年より風が弱く、暖かく湿った空気に覆われたため、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しましたが、下旬に通過した台風第24号の影響で、月末には海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。

四国沖、沖縄の東では、上旬に通過した台風第21号の影響により、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中H)。これらの海域では、中旬に暖かく湿った空気に覆われたことや、平年より日射量が多かったことにより、海面水温が平年より低い海域が縮小し、下旬には海面水温が平年より高い海域が広くみられました。

父島近海、南鳥島近海では、平年より日射量が多かったことにより、海面水温が平年より高い海域が広くみられました(図中I)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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