日本近海の海流（月概況）

平成30年12月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断（2018年11月）

  • 黒潮は大蛇行していました。
  • 黒潮は、月を通して沖縄の北西190～210km付近を流れていました。都井岬では、月を通して接岸して流れていました。足摺岬では、上旬の前半は接岸して流れ、上旬の後半、中旬、下旬は離岸して流れていました。室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、上旬は北緯31度、東経138度付近、中旬は北緯32度、東経136.5度付近、下旬は北緯31.5度、東経137.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、上旬は三宅島と八丈島の間、中旬、下旬は三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、上旬、中旬は東経148度以東、下旬は北緯40度、東経145度付近でした。
  • 親潮の面積は、上旬は平年並、中旬、下旬は平年より大きくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、上旬、下旬は平年より弱く、中旬は平年よりかなり弱くなっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2018年11月）
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2018年11月）

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2018年11月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1：沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離（※1） 190km付近 210km付近 200km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度／向き（※1） 北緯29.7度、東南東 北緯30.2度、東南東 北緯30.2度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 旬の前半は接岸、後半は離岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置（※2） 北緯31度、東経138度 北緯32度、東経136.5度 北緯31.5度、東経137.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置（※1） 三宅島と八丈島の間 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 東海沖では、上旬に北緯33度、東経137.5度付近、中旬、下旬に北緯32.5度、東経137度付近に冷水渦がみられた
沖縄本島の東から奄美群島の南では、上旬、中旬に北緯26.5度、東経130度付近、下旬に北緯27度、東経130度付近に暖水渦がみられた
先島諸島の南では、上旬に北緯23.5度、東経125度付近、中旬に北緯22.5度、東経124度付近、下旬に北緯23度、東経123.5度付近に冷水渦がみられた

（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

　

日本の東と日本海の海流

2018年11月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2：日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置（※3） 東経148度以東に後退(北緯40.5度、東経149度付近) 東経148度以東に後退（北緯42度、東経149度付近） 北緯40度、東経145度付近(図中A)
親潮の沖合の分枝の南限位置（※3） なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯39.5度、東経144.5度付近から北緯42.5度、東経147.5度付近にかけて 北緯40度、東経145度付近から北緯43度、東経147.5度付近にかけて 特にみられない
親潮の面積（※4） 平年並 平年より大きい 平年より大きい
津軽暖流の東端の経度（※5） 東経143.5度付近（平年並）(図中B) 東経143.5度付近（平年並）(図中B) 東経143.5度付近（平年並）(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※6） 北緯37度付近（平年より南）（経度は東経143度付近） 北緯37度付近（平年より南）（経度は東経143.5度付近）(図中C) 北緯37度付近（平年より南）（経度は東経143.5度付近）(図中C)
その他の日本の東の海流 津軽海峡の東では、月を通して北緯41度、東経142.5度付近に暖水渦がみられた
本州東方では、上旬に北緯38度、東経144度付近、中旬、下旬に北緯38度、東経143.5度付近に暖水渦がみられた
北海道東方では、月を通して北緯42.5度、東経148.5度付近に時計回りの流れがみられた。
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、北緯36度、東経132.5度付近から北北東に流れ、隠岐の北の北緯37度、東経133度付近からは、日本海南部の北緯37.5度、東経133.5度付近を中心に時計回りに流れ、北緯37度、東経134.5度から東北東に流れていた
能登沖の北緯38度、東経137度付近から北北東に流れ、秋田沖の北緯40度、東経137.5度付近から東に流れ、東経138.5度付近から南に流れ、北緯39度付近から北東に流れ、北緯40度、東経139.5度付近から北に流れ、津軽沖の北緯41度付近から東北東に流れて津軽海峡に達していた
対馬暖流の勢力（※7） 平年より弱い 平年よりかなり弱い 平年より弱い

（※）が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

　

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