日本近海の海面水温(月概況)

平成30年12月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2018年11月)

  • オホーツク海南部、日本海北部では、10月に引き続き、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中A)。
  • 日本海南部では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中B)。
  • 本州東方、房総沖から伊豆諸島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中C)。
  • 室戸岬沖から東海沖では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中D)。
  • 東シナ海、沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられるようになりました(図中E)。
  • 沖縄の東では、海面水温が平年より高くなっていました(図中F)。
  • 父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中G)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2018年11月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2018年11月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部、日本海北部では、10月に引き続き、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中A)。日本海北部では、上旬に海面水温がかなり高い海域が縮小しましたが、中旬に平年より風が弱かったことにより平年よりかなり高い海域が拡大しました。

日本海南部では、海面水温が平年より高い海域がみられました。この海域では、10月下旬に海面水温が平年より低い海域がみられましたが、11月は月を通して平年より風が弱く、寒気が弱かったため、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年よりかなり高い海域もみられるようになりました(図中B)。

本州東方、房総沖から伊豆諸島近海では、下層の暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中C)。

室戸岬沖から東海沖では、黒潮大蛇行の影響により、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中D)。

東シナ海、沖縄の南では、平年より風が弱く、暖かく湿った空気に覆われたため、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられるようになりました(図中E)。

沖縄の東では、中旬に平年より風が弱かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました(図中F)。

父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中G)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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