日本近海の海面水温(月概況)

平成31年4月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2019年3月)

  • 日本海北部では、海面水温が平年よりかなり低い海域が引き続きみられました(図中A)。
  • 日本海南部では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中B)。
  • 釧路沖から日高沖では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中C)。
  • 北海道南東方の東経145度以東、本州東方では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中D)。
  • 伊豆諸島近海、遠州灘、熊野灘では、海面水温が平年よりかなり高い海域が引き続きみられました(図中E)。
  • 室戸岬沖から東海沖では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。一方で、四国沖、東シナ海、沖縄の東、沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中G)。
  • 父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中H)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2019年3月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2019年3月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本海北部では、海面水温が平年よりかなり低い海域が引き続きみられました(図中A)。この海域では、下旬に寒気や強風の影響を受けたため、海面水温が平年よりかなり低い海域が拡大しました。

日本海南部では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中B)。この海域では、上旬に寒気の影響を受けにくかったことにより、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大し、おおむね平年よりかなり高くなりましたが、下旬には寒気の影響を受けたことや平年より風が強かったことにより海面水温が平年よりかなり高い海域は縮小しました。日本海南部の海面水温は、解析値のある1982年以降で3月としては最も高くなりました。

釧路沖から日高沖では、親潮や下層の冷水の影響により、海面水温が平年よりかなり低い海域が広くみられました(図中C)。

北海道南東方の東経145度以東、本州東方では、下層の暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中D)。

伊豆諸島近海、遠州灘、熊野灘では、黒潮や黒潮からの暖水の影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域が引き続きみられました(図中E)。これらの海域では、中旬と下旬に寒気の影響を受けたことにより、海面水温が平年よりかなり高い海域は縮小しました。

室戸岬沖から東海沖では、黒潮大蛇行の影響により、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。一方で、四国沖、東シナ海、沖縄の東、沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中G)。四国沖、東シナ海、沖縄の東、沖縄の南の海面水温は、上旬に平年よりかなり高く、中旬を中心に寒気の影響を受けて平年よりかなり高い海域が縮小しましたが、月を通しておおむね平年より高い状態が続きました。このため、四国・東海沖、東シナ海南部、沖縄の東の海面水温は、解析値のある1982年以降で3月としては最も高くなりました。

父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中H)。これらの海域では、上旬に暖かく湿った空気に覆われたため、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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