日本近海の海流（月概況）

令和元年7月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断（2019年6月）

  • 黒潮は大蛇行していました。
  • 黒潮は、月を通して沖縄の北西170～200km付近を流れていました。都井岬、足摺岬、室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、上旬は北緯29.5度、東経137度付近、中旬、下旬は北緯30度、東経138度付近となっていました。伊豆諸島付近では、月を通して三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、上旬、下旬は分枝構造がみられ、沿岸寄りの分枝の南限位置は、上旬は北緯38.5度、東経143.5度付近、下旬は北緯38度、東経144度付近でした。沖合の分枝の南限位置は、上旬は北緯40度、東経145.5度付近、下旬は北緯40.5度、東経147度付近でした。中旬の親潮の南限位置は、北緯38度、東経144.5度付近でした。
  • 親潮の面積は、上旬、中旬は平年より小さく、下旬は平年よりかなり小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、月を通して平年より強くなっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2019年6月）
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2019年6月）

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2019年6月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1：沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離（※1） 170km付近 180km付近 200km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度／向き（※1） 北緯29.7度、東南東 北緯30.0度、南東 北緯30.1度、南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置（※2） 北緯29.5度、東経137度 北緯30度、東経138度 北緯30度、東経138度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置（※1） 三宅島付近 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 遠州灘から熊野灘にかけては、月を通して暖水域がみられた
関東の東では、上旬に北緯36度、東経143.5度付近に冷水渦がみられた
東海沖では、上旬に北緯31度、東経137.5度付近、中旬、下旬に北緯32度、東経137度付近に冷水渦がみられた
沖縄本島の南東から東では、上旬に北緯25.5度、東経128.5度付近、中旬に北緯26度、東経129度付近、下旬に北緯26.5度、東経129度付近に冷水渦がみられた
南大東島の南西では、上旬に北緯24.5度、東経131度付近、中旬に北緯24.5度、東経130.5度付近、下旬に北緯24度、東経129.5度付近に暖水渦がみられた
先島諸島の南東では、上旬に北緯23.5度、東経127度付近、中旬に北緯23.5度、東経126.5度付近、下旬に北緯24度、東経126.5度付近に暖水渦がみられた
先島諸島の南では、上旬に北緯22度、東経125度付近に冷水渦がみられた

（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

　

日本の東と日本海の海流

2019年6月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2：日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置（※3） 北緯38.5度、東経143.5度付近 北緯38度、東経144.5度付近 北緯38度、東経144度付近(図中A)
親潮の沖合の分枝の南限位置（※3） 北緯40度、東経145.5度付近 なし 北緯40.5度、東経147度付近
その他の親潮系冷水の位置 北緯39.5度、東経145度付近 特にみられない 特にみられない
親潮の面積（※4） 平年より小さい 平年より小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度（※5） 東経143度付近（平年より東） 東経142.5度付近（平年並）(図中B) 東経142.5度付近（平年並）(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※6） 北緯37.5度付近（平年より北）（経度は東経142.5度付近） 北緯38度付近（平年より北）（経度は東経143度付近）(図中C) 北緯37.5度付近（平年より北）（経度は東経143度付近）
その他の日本の東の海流 北海道東方では、上旬に北緯42度、東経148度付近、中旬に北緯42度、東経148.5度付近、下旬に北緯42度、東経148度付近に暖水渦がみられた
三陸沖では、中旬に北緯39度、東経146度付近、下旬に北緯39.5度、東経146度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北の北緯36.5度、東経133度付近から北に流れ、日本海南部の北緯38度付近から北東に流れ、北緯38.5度、東経134度付近から南東に流れ、北緯38度、東経134.5度付近から能登沖を反時計回りに流れ、北緯38度、東経136.5度付近から北東に流れ、佐渡沖の北緯39度、東経137.5度付近から東に流れ、酒田沖の東経139.5度付近から北に流れ、津軽沖の北緯41.5度付近から東に流れて津軽海峡に達している
朝鮮半島東岸では岸に沿った北向きの流れがみられる
対馬暖流の勢力（※7） 平年より強い 平年より強い 平年より強い

（※）が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

　

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