日本近海の海面水温(月概況)

令和元年7月22日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2019年6月)

  • 日本海の東経133度以東、網走沖では、海面水温が平年より高い海域が広くみられました(図中A)。
  • 北海道南東方、本州東方では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中B)。
  • 関東南東方では、海面水温が平年より低い海域が広くみられました(図中C)が、房総沖では、海面水温が平年より高くなっていました。
  • 紀伊半島の南では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中D)。
  • 四国・東海沖では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中E)。
  • 九州西方では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。
  • 東シナ海南部の東経125度以東、沖縄の南では、海面水温が平年より高くなっており、平年よりかなり高い海域もみられました(図中G)。
  • 父島近海の北緯25度以南では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中H)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2019年6月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2019年6月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本海の東経133度以東、網走沖では、海面水温が平年より高い海域が広くみられました(図中A)。これらの海域では、上旬には海面水温が平年より高い海域が広くみられましたが、中旬に平年より風が強かったこと、下旬に平年より日射量が少なかったことにより、中旬から下旬にかけて海面水温が平年より高い海域が縮小しました。

北海道南東方、本州東方では、下層の暖水の影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中B)。

関東南東方では、海面水温が平年より低い海域が広くみられました(図中C)が、房総沖では、海面水温が平年より高くなっていました。房総沖を除く関東南東方では、中旬の寒気と、中旬と下旬に平年より日射量が少なかったことにより、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。

紀伊半島の南では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦の影響で、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中D)。

四国・東海沖では、黒潮の影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中E)。

九州西方では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。この海域では、中旬の寒気の影響で、海面水温が平年より低い海域が拡大しました。

東シナ海南部の東経125度以東、沖縄の南では、海面水温が平年より高くなっており、平年よりかなり高い海域もみられました(図中G)。これらの海域では、上旬に平年より日射量が多かったことや、暖かく湿った空気の影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しましたが、中旬の寒気の影響と下旬に平年より日射量が少なかったことにより、下旬には海面水温が平年よりかなり高い海域がみられなくなりました。

父島近海の北緯25度以南では、上旬に平年より日射量が多かったことや、暖かく湿った空気の影響を受けたため、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中H)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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