日本近海の海流（月概況）

令和元年8月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断（2019年7月）

  • 黒潮は大蛇行していました。
  • 黒潮は、月を通して沖縄の北西170～180km付近を流れていました。都井岬、足摺岬、室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、上旬は北緯30度、東経137.5度付近、中旬は北緯30度、東経138度付近、下旬は北緯30.5度、東経137.5度付近となっていました。伊豆諸島付近では、月を通して三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、上旬は北緯38度、東経142.5度付近、中旬は北緯39.5度、東経143度付近、下旬は北緯40度、東経143.5度付近でした。
  • 親潮の面積は、上旬、下旬は平年よりかなり小さく、中旬は平年より小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、上旬、下旬は平年より弱く、中旬は平年並となっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2019年7月）
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2019年7月）

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2019年7月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1：沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離（※1） 170km付近 170km付近 180km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度／向き（※1） 北緯29.7度、東南東 北緯29.6度、東南東 北緯30.1度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置（※2） 北緯30度、東経137.5度 北緯30度、東経138度 北緯30.5度、東経137.5度
伊豆諸島付近の黒潮通過位置（※1） 三宅島付近 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 遠州灘から熊野灘にかけては、月を通して暖水域がみられた
東海沖では、上旬に北緯31.5度、東経137度付近、中旬、下旬に北緯32度、東経137.5度付近に冷水渦がみられた
四国沖では、中旬に北緯32度、東経133度付近、下旬に北緯31.5度、東経132度付近に冷水渦がみられた
沖縄本島の東では、上旬に北緯27度、東経129度付近に冷水渦がみられた
沖縄本島の南では、上旬に北緯24.5度、東経127.5度付近、中旬に北緯24度、東経127度付近、下旬に北緯24.5度、東経127度付近に暖水渦がみられた
南大東島の東や南大東島付近では、上旬に北緯25.5度、東経132.5度付近、中旬に北緯25.5度、東経132度付近、下旬に北緯26度、東経131度付近に冷水渦がみられた
先島諸島の南西では、上旬に北緯23.5度、東経123.5度付近、中旬に北緯24度、東経123.5度付近に暖水渦がみられた

（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

　

日本の東と日本海の海流

2019年7月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2：日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置（※3） 北緯38度、東経142.5度付近 北緯39.5度、東経143度付近(図中A) 北緯40度、東経143.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置（※3） なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯39.5度、東経147度付近 北緯39.5度、東経146.5度付近 特にみられない
親潮の面積（※4） 平年よりかなり小さい 平年より小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度（※5） 東経143度付近（平年並）(図中B) 東経143度付近（平年並）(図中B) 東経143度付近（平年並）(図中B)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※6） 北緯37.5度付近（平年より北）（経度は東経142.5度付近） 北緯37度付近（平年並）（経度は東経143度付近）(図中C) 北緯37度付近（平年並）（経度は東経144度付近）
その他の日本の東の海流 北海道東方では、上旬に北緯42度、東経148度付近、中旬、下旬に北緯41.5度、東経148度付近に暖水渦がみられた
三陸沖では、上旬に北緯40度、東経146度付近、中旬、下旬に北緯40度、東経145.5度付近に暖水渦がみられた
本州東方では、中旬に北緯38.5度、東経147.5度付近、下旬に北緯38.5度、東経148度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐の北の北緯36.5度、東経133度付近から北に流れ、日本海南部の北緯38.5度付近から東に流れ、東経134.5度付近から南南東に流れ、能登沖の北緯37.5度、東経135度付近から反時計回りに流れ、北緯37.5度、東経136.5度付近から北北東に流れ、秋田沖の北緯39.5度、東経138度付近から東に流れ、東経139.5度付近から北に流れ、津軽沖の北緯41度付近から東北東に流れて津軽海峡に達していた
朝鮮半島東岸では岸に沿った北向きの流れがみられた
対馬暖流の勢力（※7） 平年より弱い 平年並 平年より弱い

（※）が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

　

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