日本近海の海面水温(月概況)

令和元年8月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断 (2019年7月)

  • 日本海北部、網走沖では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中A)。
  • 日本海南部では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中B)。
  • 北海道南東方では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中C)。
  • 関東の東では、東経145度以西で海面水温が平年より高い海域が、東経145度以東で平年より低い海域がみられました(図中D)。
  • 関東南東方では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中E)。
  • 紀伊半島の南から東海沖南部では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中F)。
  • 九州南東方では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中G)。
  • 東シナ海では、海面水温が平年より低い海域が広くみられました(図中H)。
  • 沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中I)。
  • 父島近海の北緯25度以南、南鳥島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中J)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2019年7月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2019年7月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本海北部、網走沖では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中A)。これらの海域では、6月下旬に海面水温が平年より高い海域はほとんどみられませんでしたが、日本海北部では、上旬に平年より日射量が多かったことや下旬の暖かく湿った空気の影響により、網走沖では、月を通して平年より日射量が多かったことにより、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。

日本海南部では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中B)。この海域では、中旬に平年より日射量が少なかったことや、寒気の影響により、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。

北海道南東方では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中C)。この海域では、上旬に平年より日射量が多かったことから、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。

関東の東では、東経145度以西で海面水温が平年より高い海域が、東経145度以東で平年より低い海域がみられました(図中D)。この海域では、上旬と中旬は平年より日射量が少なかったため、中旬には海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。

関東南東方では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中E)。この海域では、6月下旬に海面水温が平年より低い海域が広くみられましたが、暖かく湿った空気の影響を受けたことにより、上旬に海面水温が平年より低い海域が縮小しました。

紀伊半島の南から東海沖南部では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦の影響で、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中F)。

九州南東方では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中G)。この海域では、上旬と中旬は平年より日射量が少なかったほか、月を通して下層の冷水の影響を受けたため、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました。

東シナ海では、海面水温が平年より低い海域が広くみられました(図中H)。この海域では、上旬と中旬に平年より日射量が少なかったことから、海面水温が平年より低い海域が拡大し、下旬には海面水温が平年よりかなり低い海域もみられるようになりました。

沖縄の南では、下旬に平年より風が弱かったことや暖かく湿った空気の影響で、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中I)。

父島近海の北緯25度以南、南鳥島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中J)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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