日本近海の海面水温(月概況)
令和2年2月20日発表
気象庁地球環境・海洋部
診断 (2020年1月)
- 北海道南東方の北緯42度以南、本州東方では、海面水温が平年より高い海域が広くみられ、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。
- 日本海では、北部では海面水温が平年より低い海域が広くみられ(図中B)、中部・南部では平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中C)。
- 関東南東方、四国・東海沖では、海面水温が平年より高く、かなり高い海域もみられました(図中D)が、紀伊半島の南から東海沖南部では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中E)。
- 東シナ海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中F)。
- 沖縄の東では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中G)。
- 沖縄の南では、海面水温が平年より高く、かなり高い海域もみられました(図中H)。
- 父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より高い海域が広くみられました(図中I)。
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2020年1月)
解説
日本近海の海面水温
北海道南東方の北緯42度以南、本州東方では、海面水温が平年より高い海域が広くみられ、下層の暖水の影響により、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。これらの海域では、中旬に平年より風が弱く、寒気の影響が弱かったため、海面水温が平年より低い海域が縮小しました。
日本海では、北部では海面水温が平年より低い海域が広くみられ(図中B)、中部・南部では平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中C)。北部では、月を通して寒気の影響が弱く、上旬、中旬に平年より風が弱かったため、海面水温が平年よりかなり低い海域が縮小しました。一方、中部・南部では、12月下旬に海面水温が平年より高かったことに加え、月を通して寒気の影響が弱かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。このため、日本海の海面水温は、解析値のある1982年以降で1月としては最も高くなりました。
関東南東方、四国・東海沖では、海面水温が平年より高く、かなり高い海域もみられました(図中D)。これらの海域では、12月下旬に海面水温が平年より高かったことに加え、月を通して寒気の影響が弱かったため、海面水温が平年より高い状態が続きました。紀伊半島の南から東海沖南部では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦の影響により、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中E)。
東シナ海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中F)。この海域では、12月下旬に海面水温が平年より高かったことに加え、1月上旬、下旬に寒気の影響が弱く、上旬に平年より風が弱かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。このため、東シナ海北部の海面水温は、解析値のある1982年以降で1月としては最も高くなりました。
沖縄の東では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中G)。この海域では、12月下旬に海面水温が平年より高かったことに加え、月を通して寒気の影響が弱かったため、海面水温が平年よりかなり高い状態が続きました。このため、沖縄の東の海面水温は、解析値のある1982年以降で1月としては最も高くなりました。
沖縄の南では、12月下旬に引き続き、海面水温が平年より高く、かなり高い海域もみられました(図中H)。
父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より高い海域が広くみられました(図中I)。これらの海域では、中旬、下旬に寒気の影響が弱く、平年より風が弱かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。
- 参考図:日本近海の月平均海面水温分布図(2020年1月)
- 参考図:日本近海の旬平均海面水温分布図(2020年1月) [ 上旬 | 中旬 | 下旬 ]
- 参考図:日本近海の旬平均海面水温平年差分布図(2020年1月) [ 上旬 | 中旬 | 下旬 ]
- 参考図:日本近海の深さ100mの旬平均水温分布図(2020年1月) [ 上旬 | 中旬 | 下旬 ]
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
- 参考情報:北西太平洋の海面水温(2020年1月)
海面水温の診断にあたって
- 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。