日本近海の海面水温(月概況)

令和2年10月20日 気象庁発表

診断 (2020年9月)

  • オホーツク海南部、北海道東方では、海面水温が平年より高い海域が広くみられ、海面水温が平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。
  • 日本海の東経 135 度以東では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中B)。
  • 日本海の東経 135 度以西、東シナ海北部、九州南東方では、海面水温が平年より低い海域が広くみられ、平年よりかなり低い海域もみられました(図中C)。
  • 釧路沖、本州東方では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中D)。
  • 関東南東方では、8月から引き続き海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。
  • 東海沖、伊豆諸島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中F)。
  • 東シナ海南部、沖縄の東では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中G)。
  • 沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域が広くみられ、平年よりかなり高い海域もみられました(図中H)。
  • 父島近海、南鳥島近海では、8月下旬から引き続き海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中I)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2020年9月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2020年9月)

海面水温の平年値(1981〜2010年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部、北海道東方では、海面水温が平年より高い海域が広くみられ、海面水温が平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。

日本海の東経 135 度以東では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中B)。この海域では、上旬に暖かく湿った空気の影響で、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなりましたが、中旬と下旬は平年より風が強かったため、海面水温が平年よりかなり高い海域は縮小しました。

日本海の東経 135 度以西、東シナ海北部、九州南東方では、海面水温が平年より低い海域が広くみられ、平年よりかなり低い海域もみられました(図中C)。これらの海域では、8月下旬は海面水温が平年より高く、東シナ海北部と九州南東方では平年よりかなり高くなっていましたが、9月上旬には台風第 9 号や第 10 号の影響により海面水温が大きく低下し、中旬には海面水温が広い範囲で平年よりかなり低くなっていました。

釧路沖、本州東方では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中D)。これらの海域では、8月下旬に引き続き上旬には海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられましたが、中旬と下旬に平年より風が強く、日射量が少なかったため、下旬には海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。

関東南東方では、8月から引き続き海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。この海域の9月の海面水温は、解析値のある1982年以降で9月としては最も高い水温となりました。

東海沖、伊豆諸島近海では、海面水温が平年よりかなり高い海域が広くみられました(図中F)。これらの海域では、8月下旬に引き続き上旬と中旬には海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、下旬は台風第12号の影響により、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。

東シナ海南部、沖縄の東では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中G)。これらの海域では、8月下旬は広い範囲で海面水温がかなり高くなっていましたが、上旬は台風第 9 号や第 10 号の影響により、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小し、中旬には平年よりかなり低い海域もみられるようになりました。

沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域が広くみられ、平年よりかなり高い海域もみられました(図中H)。この海域では、上旬は台風第 9 号や第 10 号の影響により、海面水温が平年より高い海域が縮小しましたが、中旬に平年より風が弱く、日射量が多かったため、下旬には海面水温が平年よりかなり高くなりました。

父島近海、南鳥島近海では、8月下旬から引き続き海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中I)。


海面水温の診断にあたって

  • 1981〜2010年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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