日本近海の海流（月概況）

令和3年1月20日 気象庁発表

診断（2020年12月）

  • 黒潮は大蛇行していました。
  • 黒潮は、月を通して沖縄の北西190～200km付近を流れていました。都井岬では、上旬は離岸、中旬、下旬は接岸して流れていました。足摺岬、室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、上旬は北緯31.5度、東経137.5度付近、中旬、下旬は北緯31.5度、東経138度付近でした。伊豆諸島付近では、月を通して三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、月を通して東経148度以東でした。
  • 親潮の面積は、上旬、中旬は平年より小さく、下旬は平年よりかなり小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、上旬は平年並、中旬は平年より強く、下旬は平年よりかなり強くなっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2020年12月）
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2020年12月）

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2020年12月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1：沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離（※1） 200km付近 190km付近 200km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度／向き（※1） 北緯30.2度、東南東 北緯30.2度、南東 北緯30.1度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置（※2） 北緯31.5度、東経137.5度付近 北緯31.5度、東経138度付近 北緯31.5度、東経138度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置（※1） 三宅島付近 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 東海沖では、上旬に北緯33度、東経136.5度付近、中旬に北緯33度、東経137度付近、下旬に北緯32.5度、東経137度付近に冷水渦がみられた
日本の南では、上旬に北緯29度、東経135.5度付近、中旬に北緯28.5度、東経134.5度付近、下旬に北緯28.5度、東経133.5度付近に冷水渦がみられた
南大東島の北西から沖縄本島の東では、上旬に北緯27度、東経130.5度付近、中旬に北緯26.5度、東経130.5度付近、下旬に北緯26度、東経130度付近に冷水渦がみられた
石垣島の南では、上旬、中旬に北緯22度、東経124.5度付近、下旬に北緯23度、東経124度付近に冷水渦がみられた
宮古島の南東では、上旬に北緯24.5度、東経126度付近に冷水域が、中旬に北緯23度、東経128度付近、下旬に北緯23度、東経127.5度付近に暖水渦が、それぞれみられた

（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

　

日本の東と日本海の海流

2020年12月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2：日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置（※3） 東経148度以東に後退（北緯41.5度、東経148.5度付近） 東経148度以東に後退（北緯41度、東経149度付近） 東経148度以東に後退（北緯41度、東経148.5度付近）
親潮の沖合の分枝の南限位置（※3） なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯42.5度、東経145度付近、北緯40度、東経146.5度付近 北緯42度、東経144度付近から北緯42.5度、東経147.5度付近(図中A)、北緯40度、東経146度付近(図中B) 北緯42度、東経144.5度付近、北緯40.5度、東経146度付近
親潮の面積（※4） 平年より小さい 平年より小さい 平年よりかなり小さい
津軽暖流の東端の経度（※5） 東経144度付近（平年より東） 東経143.5度付近（平年並）(図中C) 東経143.5度付近（平年より東）
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※6） 北緯39度付近（平年より北）（経度は145.5度付近） 北緯39度付近（平年より北）（経度は145度付近）(図中D) 北緯38度付近（平年並）（経度は145度付近）
その他の日本の東の海流 釧路沖では、上旬に北緯41.5度、東経146.5度付近、中旬に北緯41.5度、東経147度付近に暖水渦がみられた
北海道東方では、下旬に北緯41.5度、東経147.5度付近に暖水渦がみられた
三陸沖では、下旬に北緯39度、東経145.5度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部の北緯35度、東経131度付近から北に流れ、北緯37度付近から東に流れ、山陰沖東部の東経134度付近から北東に流れ、能登沖の北緯38度、東経135度付近から東に流れ、佐渡沖の東経138度付近から北に流れ、北緯39度付近から時計回りに流れ、津軽沖の北緯40.5度、東経138.5度付近から東北東に流れて津軽海峡に達している
対馬暖流の勢力（※7） 平年並 平年より強い 平年よりかなり強い

（※）が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

　

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