日本近海の海流（月概況）

令和3年5月20日 気象庁発表

診断（2021年4月）

  • 黒潮は大蛇行していました。
  • 黒潮は、月を通して沖縄の北西190～200km付近を流れていました。都井岬では、上旬は離岸し、中旬、下旬は接岸して流れていました。
  • 足摺岬、室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。東海沖の黒潮の最南位置は、上旬、中旬は北緯31度、東経138度付近、下旬は北緯31度、東経136度付近でした。伊豆諸島付近では、上旬は三宅島と八丈島の間、中旬、下旬は三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の沿岸寄りの南限位置は、上旬、中旬は北緯40度、東経142.5度付近、下旬は北緯39度、東経142.5度付近でした。沖合の分枝の南限位置は、上旬は北緯39度、東経145.5度付近、中旬は北緯40度、東経146度付近、下旬は北緯40.5度、東経146度付近でした。
  • 親潮の面積は、上旬は平年より大きく、中旬、下旬は平年並でした。
  • 対馬暖流の勢力は、月を通して平年よりかなり強くなっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2021年4月）
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2021年4月）

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2021年4月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1：沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離（※1） 190km付近 200km付近 190km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度／向き（※1） 北緯30.1度、東南東 北緯30.1度、東南東 北緯30.2度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置（※2） 北緯31度、東経138度付近 北緯31度、東経138度付近 北緯31度、東経136度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置（※1） 三宅島と八丈島の間 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 四国・東海沖では、上旬に北緯32.5度、東経138度付近、中旬に北緯32度、東経134度付近、北緯33度、東経138度付近、下旬に北緯32.5 度、東経136度付近、北緯33度、東経137.5度付近に、冷水渦がみられた
沖縄本島の南では、上旬に北緯24.5度、東経128度付近、中旬、下旬に北緯25度、東経127.5度付近に、冷水渦がみられた
沖縄本島の南東では、上旬、中旬に北緯24度、東経130度付近、下旬に北緯25度、東経129度付近に、暖水渦がみられた
石垣島の南では、月を通して北緯23度、東経124度付近に暖水渦がみられた

（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

　

日本の東と日本海の海流

2021年4月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2：日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置（※3） 北緯40度、東経142.5度付近(図中A) 北緯40度、東経142.5度付近(図中A) 北緯39度、東経142.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置（※3） 北緯39度、東経145.5度付近 北緯40度、東経146度付近(図中B) 北緯40.5度、東経146度付近
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない 北緯39度、東経145.5度付近 特にみられない
親潮の面積（※4） 平年より大きい 平年並 平年並
津軽暖流の東端の経度（※5） 東経142度付近（平年並） 東経142.5度付近（平年より東）(図中C) 東経142.5度付近（平年より東）(図中C)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※6） 北緯38.5度付近（平年より北）（経度は143.5度付近） 北緯39度付近（平年より北）（経度は143.5度付近）(図中D) 北緯38度付近（平年より北）（経度は144度付近）(図中D)
その他の日本の東の海流 釧路沖では、上旬、中旬に北緯42度、東経146度付近、下旬に北緯42度、東経146.5度付近に暖水渦がみられた
三陸沖では、上旬に北緯39.5度、東経143.5度付近、下旬に北緯40度、東経144.5度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 山陰沖西部を北東に流れ、北緯36.5度、東経132.5度付近から東南東に流れ、山陰沖東部の北緯36度、東経134.5度付近から北東に流れ、若狭湾沖の北緯37度、東経136度付近から北に流れ、能登沖の北緯38.5度付近から東に流れ、佐渡沖の東経138.5度付近から北北東に流れて津軽海峡に達していた
日本海南部の北緯37.5度、東経134度付近では、時計回りの流れがみられた
朝鮮半島東岸では北向きの流れがみられた
対馬暖流の勢力（※7） 平年よりかなり強い 平年よりかなり強い 平年よりかなり強い

（※）が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

　

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