日本近海の海面水温(月概況)

令和3年5月20日 気象庁発表

診断 (2021年4月)

  • 日本海、東シナ海北部では、海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。
  • 日高沖では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中B)。釧路沖では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中C)。
  • 本州東方の東経145度以西では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。
  • 関東南東方では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中E)。
  • 四国・東海沖では、海面水温が平年より低い海域がみられましたが、北緯32度以南では、海面水温が平年よりかなり高い海域もみられました(図中F)。
  • 沖縄の南、沖縄の東では、海面水温が平年より低い海域がみられ、沖縄の南では平年よりかなり低い海域もみられました(図中G)。
  • 父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中H)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2021年4月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2021年4月)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本海、東シナ海北部では、海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。

日高沖では、親潮の影響により、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中B)。釧路沖では、暖水渦の影響で、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中C)。

本州東方の東経145度以西では、黒潮系暖水や暖水渦の影響により、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。

関東南東方では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中E)。この海域では、中旬、下旬は平年より風が強く、寒気の影響があったため、下旬には海面水温が平年より低い海域が拡大しました。

四国・東海沖では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦や下層の冷水の影響で、海面水温が平年より低い海域がみられましたが、北緯32度以南では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中F)。

沖縄の南、沖縄の東では、平年より風が強く、寒気の影響があったため、海面水温が平年より低い海域がみられ、沖縄の南では、台風第2号の影響で、平年よりかなり低い海域もみられました(図中G)。

父島近海、南鳥島近海では、上旬の暖かく湿った空気の影響で、海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました。これらの海域では、中旬以降は平年より風が強く、日射量が少なかったため、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました(図中H)。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

このページのトップへ