日本近海の海流(月概況)

令和3年6月21日 気象庁発表

診断(2021年5月)

  • 黒潮は大蛇行していました。
  • 黒潮は、月を通して沖縄の北西180~190km付近を流れていました。都井岬では、月を通して接岸して流れていました。足摺岬では、中旬の後半は接岸し、それ以外の期間は離岸して流れていました。室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、上旬は北緯31度、東経137度付近、中旬は北緯31度、東経136.5度付近、下旬は北緯30.5度、東経137.5度付近でした。伊豆諸島付近では、月を通して三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、上旬、中旬は分枝構造がみられ、沿岸寄り分枝の南限位置は、上旬は北緯38.5度、東経142.5度付近、中旬は北緯40.5度、東経142.5度付近でした。沖合の分枝の南限位置は、北緯40度、東経146.5度付近でした。下旬の親潮の南限位置は、北緯39.5度、東経146度付近でした。
  • 親潮の面積は、上旬、中旬は平年並、下旬は平年より小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、上旬はかなり強く、中旬、下旬は平年並となっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2021年5月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2021年5月)

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2021年5月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 180km付近 190km付近 190km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯29.7度、東南東 北緯30.2度、東南東 北緯30.2度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 旬の前半は離岸、後半は接岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯31度、東経137度付近 北緯31度、東経136.5度付近 北緯30.5度、東経137.5度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 接岸、一時離岸 接岸
その他の顕著な現象 東海沖では、上旬に北緯32.5度、東経136.5度付近、中旬、下旬に北緯32.5度、東経137度付近に冷水渦がみられた
南大東島の北東から東では、中旬に北緯26.5度、東経133度付近、下旬に北緯26.5度、東経132.5度付近に暖水渦がみられた
沖縄本島の南西では、上旬に北緯25度、東経127度付近に冷水域がみられた
沖縄本島の南東から南西では、上旬に北緯24.5度、東経128.5度付近、中旬に北緯24.5度、東経128度付近、下旬に北緯24度、東経127度付近に暖水渦がみられた
石垣島の南西では、上旬に北緯23度、東経123.5度付近、中旬、下旬に北緯23度、東経123度付近に暖水渦がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2021年5月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯38.5度、東経142.5度付近 北緯40.5度、東経142.5度付近 北緯39.5度、東経146度付近(図中A)
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯40度、東経146.5度付近 北緯40度、東経146.5度付近 なし
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない 特にみられない 特にみられない
親潮の面積(※4 平年並 平年並 平年より小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経142度付近(平年より西)(図中B) 東経142度付近(平年より西)(図中B) 東経142.5度付近(平年より西)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯38度付近(平年より北)(経度は145度付近) 北緯38度付近(平年より北)(経度は144.5度付近)(図中C) 北緯38.5度付近(平年より北)(経度は145度付近)
その他の日本の東の海流 釧路沖では、上旬、中旬に北緯42度、東経146.5度付近、下旬に北緯42度、東経147度付近に暖水渦がみられた
三陸沖では、月を通して北緯40度、東経144.5度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、山陰沖東部の北緯36.5度、東経133.5度付近から時計回りに流れ、若狭湾沖の北緯37度、東経135度付近から北東に流れ、能登沖の北緯38度、東経136.5度付近から東に流れ、佐渡沖の東経137.5度付近から北東に流れ、酒田沖の北緯39度、東経139度付近から北に流れ、津軽沖の北緯40.5度付近から北東に流れて津軽海峡に達していた
朝鮮半島東岸では北向きの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年よりかなり強い 平年並 平年並

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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