日本近海の海流(月概況)

令和3年8月20日 気象庁発表

診断(2021年7月)

  • 黒潮は大蛇行していました。
  • 黒潮は、月を通して沖縄の北西190km付近を流れていました。都井岬では、月を通して接岸して流れていました。足摺岬では、中旬の後半は接岸し、それ以外の期間は離岸して流れていました。室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、上旬、下旬は北緯30.5度、東経138度付近、中旬は北緯30.5度、東経137.5度付近でした。伊豆諸島付近では、月を通して三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、上旬は北緯40度、東経147.5度付近でした。中旬、下旬は分枝構造がみられ、沿岸寄り分枝の南限位置は、北緯41度、東経145度付近でした。沖合の分枝の南限位置は、中旬は北緯40度、東経147度付近、下旬は北緯39.5度、東経147度付近でした。
  • 親潮の面積は、月を通して平年より小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、月を通して平年よりかなり強くなっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2021年7月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2021年7月)

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2021年7月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1 190km付近 190km付近 190km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1 北緯30.1度、南東 北緯29.8度、東南東 北緯30.2度、東南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 旬の前半は離岸、後半は接岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯30.5度、東経138度付近 北緯30.5度、東経137.5度付近 北緯30.5度、東経138度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 東海沖では、上旬に北緯32.5度、東経137度付近、中旬に北緯31.5度、東経137.5度付近、下旬に北緯32度、東経137.5度付近に冷水渦がみられた
南大東島の西では、上旬に北緯26度、東経131度付近、中旬に北緯26度、東経130.5度付近に暖水域がみられた
南大東島の南東では、下旬に北緯24.5度、東経132.5度付近に冷水渦がみられた
宮古島の南では、下旬に北緯23.5度、東経126度付近に冷水渦がみられた
石垣島の南東から南西では、上旬に北緯23度、東経125度付近、中旬、下旬に北緯23度、東経123.5度付近に暖水渦がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2021年7月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯40度、東経147.5度付近 北緯41度、東経145度付近(図中A) 北緯41度、東経145度付近(図中A)
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 なし 北緯40度、東経147度付近(図中B) 北緯39.5度、東経147度付近
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない 特にみられない 特にみられない
親潮の面積(※4 平年より小さい 平年より小さい 平年より小さい
津軽暖流の東端の経度(※5 東経143度付近(平年並)(図中C) 東経143度付近(平年並)(図中C) 東経143度付近(平年並)(図中C)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6 北緯38度付近(平年より北)(経度は145.5度付近) 北緯38度付近(平年より北)(経度は143.5度付近) 北緯38度付近(平年より北)(経度は144度付近)(図中D)
その他の日本の東の海流 北海道東方では、上旬に北緯42.5度、東経148度付近、中旬に北緯42.5度、東経148.5度付近、下旬に北緯42.5度、東経149.5度に暖水域がみられた
三陸沖では、上旬に北緯40.5度、東経144度付近、中旬、下旬に北緯40.5度、東経143.5度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、隠岐付近の北緯36.5度、東経133度付近から東に流れ、山陰沖東部の東経133.5度付近から南東に流れ、若狭湾沖の北緯36度、東経135度付近から北に流れ、北緯36.5度付近から時計回りに流れ、能登沖の北緯37.5度、東経135度付近から東北東に流れ、北緯38度、東経136度付近から北に流れ、北緯39度付近から東に流れ、佐渡沖の東経137度付近から南南東に流れ、佐渡島付近の北緯38度、東経138度付近から北北東に流れ、秋田沖の北緯39.5度、東経138.5度付近から北東に流れて津軽海峡に達していた
朝鮮半島東岸と檜山沖では北向きの流れがみられた
対馬暖流の勢力(※7 平年よりかなり強い 平年よりかなり強い 平年よりかなり強い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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