日本近海の海流（月概況）

令和3年12月20日 気象庁発表

診断（2021年11月）

  • 黒潮は大蛇行していました。
  • 黒潮は、月を通して沖縄の北西190～200km付近を流れていました。都井岬では、月を通して接岸して流れていました。足摺岬、室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、上旬は北緯29.5度、東経137度付近、中旬は北緯29.5度、東経137.5度付近、下旬は北緯29.5度、東経138度付近でした。伊豆諸島付近では、月を通して三宅島付近を流れていました。
  • 親潮の南限位置は、上旬は北緯40.5度、東経148度付近、中旬は北緯41度、東経148度付近、下旬は東経148度以東でした。
  • 親潮の面積は、月を通して平年より小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、上旬、中旬は平年より強く、下旬は平年よりかなり強くなっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2021年11月）
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図（2021年11月）

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2021年11月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1：沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離（※1） 200km付近 190km付近 200km付近
トカラ海峡の黒潮の通過緯度／向き（※1） 北緯30.2度、東南東 北緯30.2度、東南東 北緯30.2度、南東
都井岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 接岸 接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸（※1） 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置（※2） 北緯29.5度、東経137度付近 北緯29.5度、東経137.5度付近 北緯29.5度、東経138度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置（※1） 三宅島付近 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸（※1） 接岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 東海沖では、上旬、中旬に北緯32.5度、東経136.5度付近、下旬に北緯32度、東経136度付近に冷水渦がみられた
沖縄本島の南から宮古島の東では、上旬に北緯25度、東経127.5度付近に冷水渦が、中旬に北緯25度、東経127度付近、下旬に北緯25度、東経126.5度付近に冷水域がそれぞれみられた
南大東島付近では、上旬に北緯26.5度、東経131度付近に暖水域がみられた
石垣島の南では、上旬に北緯22度、東経123.5度付近、中旬、下旬に北緯22.5度、東経123.5度付近に暖水渦がみられた

（※）が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

　

日本の東と日本海の海流

2021年11月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2：日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置（※3） 北緯40.5度、東経148度付近 北緯41度、東経148度付近(図中A) 東経148度以東に後退（北緯41.5度、東経151.5度付近）
親潮の沖合の分枝の南限位置（※3） なし なし なし
その他の親潮系冷水の位置 北緯42度、東経144.5度付近(図中B) 北緯39.5度、東経144.5度付近から北緯42.5度、東経146度付近 北緯39.5度、東経143.5度付近から北緯42.5度、東経145.5度付近
親潮の面積（※4） 平年より小さい 平年より小さい 平年より小さい
津軽暖流の東端の経度（※5） 不明 不明 不明
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度（※6） 北緯38度付近（平年並）（経度は東経144.5度付近）(図中C) 北緯38度付近（平年並）（経度は東経144.5度付近）(図中C) 北緯38度付近（平年並）（経度は東経144度付近）
その他の日本の東の海流 釧路沖では、上旬に北緯41度、東経146.5度付近、中旬に北緯41.5度、東経146.5付近、下旬に北緯41.5度、東経147度付近に暖水渦がみられた
三陸沖では、月を通して北緯40.5度、東経143度付近に暖水渦がみられた
日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖西部を北東に流れ、山陰沖東部の北緯37度、東経133.5度付近から時計回りに流れ、能登沖の北緯37.5度、東経135度付近から東北東に流れ、北緯38度、東経136.5度付近から北に流れ、北緯39度付近から北北東に流れ、秋田沖の北緯40.5度、東経137.5度付近から東北東に流れて津軽海峡に達していた
朝鮮半島東岸では、北に向かう流れがみられた
対馬暖流の勢力（※7） 平年より強い 平年より強い 平年よりかなり強い

（※）が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

　

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