日本近海の海面水温(月概況)

令和4年4月20日 気象庁発表

診断 (2022年3月)

  • 日本海では、日本海北部と朝鮮半島東方で、海面水温が平年より高い海域がみられました。一方、津軽沖から山陰沖にかけては、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中A)。
  • 北海道南東方、本州東方では、東経145度以西で、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました。一方、東経145度以東では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中B)。
  • 東シナ海では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中C)。
  • 四国・東海沖では、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中D)。
  • 関東南東方、沖縄の東では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中E)。
  • 沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中F)。
  • 父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中G)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2022年3月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2022年3月)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本海では、日本海北部と朝鮮半島東方で、寒気が弱かった影響により、海面水温が平年より高い海域がみられました。一方、津軽沖から山陰沖にかけては、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中A)。

北海道南東方、本州東方では、東経145度以西で、親潮の影響により、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました。一方、東経145度以東では、下層の暖水の影響により、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中B)。

東シナ海では、上旬と中旬に平年より風が弱かったことに加え、中旬には暖かく湿った空気の影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中C)。

四国・東海沖では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦や下層の冷水の影響により、海面水温が平年よりかなり低い海域がみられました(図中D)。

関東南東方、沖縄の東では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中E)。これらの海域では、2月下旬には広い範囲で海面水温が平年より低くなっていましたが、3月上旬と中旬に平年より風が弱く、日射量が多かったことや、中旬と下旬には暖かく湿った空気の影響があり、海面水温が平年より低い海域が縮小しました。

沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中F)。この海域では、2月下旬には広い範囲で海面水温が平年より低くなっていましたが、3月中旬と下旬に暖かく湿った空気の影響があったことに加え、下旬には平年より風が弱かったこともあり、海面水温が平年より低い海域が縮小し、3月下旬には平年よりかなり高い海域がみられるようになりました。

父島近海、南鳥島近海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中G)。これらの海域では、2月下旬には海面水温が平年よりかなり低い海域がみられましたが、3月上旬に平年より風が弱かったことや、下旬には暖かく湿った空気の影響に加え、平年より日射量が多かったこともあり、3月下旬には広い範囲で海面水温が平年より高くなり、平年よりかなり高い海域もみられるようになりました。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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