日本近海の海面水温(月概況)

令和4年6月20日 気象庁発表

診断 (2022年5月)

  • オホーツク海南部の北緯47度以南では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中A)。
  • 日本海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中B)。
  • 北海道南東方、本州東方では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中C)。一方、三陸沖では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中D)。
  • 東シナ海北部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、九州西方では、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。
  • 四国・東海沖では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中F)。紀伊半島の南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中G)。
  • 関東南東方では、広い範囲で海面水温が平年より低くなっていました(図中H)。
  • 東シナ海南部では、広い範囲で海面水温が平年より低くなっていました(図中I)。
  • 沖縄の東では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中J)。
  • 沖縄の南では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中K)。
  • 父島近海、南鳥島近海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中L)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2022年5月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2022年5月)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部の北緯47度以南では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中A)。

日本海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中B)。この海域では、中旬と下旬に平年より日射量が多かった影響で、下旬には広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなりました。

北海道南東方、本州東方では、下層の暖水の影響に加え、北海道南東方では、中旬に平年より日射量が多かったことや暖かく湿った空気の影響もあり、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中C)。一方、三陸沖では、下層の冷水の影響で、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中D)。

東シナ海北部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、九州西方では、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。

四国・東海沖では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中F)。この海域では、4月下旬には海面水温が平年よりかなり高い海域がみられましたが、5月上旬から中旬にかけて平年より日射量が少なかった影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。紀伊半島の南では、黒潮大蛇行に伴う下層の冷水の影響もあり、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中G)。

関東南東方では、上旬から中旬にかけて平年より日射量が少なかった影響で、広い範囲で海面水温が平年より低くなっていました(図中H)。

東シナ海南部では、月を通して平年より日射量が少なかった影響に加え、中旬に寒気や平年より風が強かった影響もあり、広い範囲で海面水温が平年より低くなっていました(図中I)。

沖縄の東では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中J)。この海域では、4月下旬には広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、5月上旬に平年より日射量が少なく、風が強かった影響で、5月中旬には海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。

沖縄の南では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中K)。この海域では、上旬には広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、月を通して平年より日射量が少なかった影響に加え、中旬に平年より風が強かった影響で、下旬には海面水温が平年より低い海域がみられるようになりました。

父島近海、南鳥島近海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中L)。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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