日本近海の海面水温（月概況）

令和4年9月20日 気象庁発表

診断 (2022年8月)

  • 日本海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中A)。
  • 北海道南東方、本州東方では、海面水温が平年より高い海域がみられ、東経145度以東では、平年よりかなり高い海域もみられました(図中B)。
  • 東シナ海北部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中C)。
  • 四国・東海沖、関東南東方では、海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中D)。
  • 東シナ海南部、沖縄の東、父島近海では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。
  • 沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中F)。
  • 南鳥島近海では、海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中G)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2022年8月）
日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2022年8月）

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中A)。この海域では、上旬には広い範囲で海面水温が平年より高くなっていましたが、中旬に日本海中部・南部で平年より日射量が少なく、風が強かった影響に加え、下旬には日本海北部を中心に寒気の影響もあり、中旬から下旬にかけて海面水温が平年より高い海域が縮小しました。

北海道南東方、本州東方では、海面水温が平年より高い海域がみられ、東経145度以東では、下層の暖水の影響もあり、平年よりかなり高い海域もみられました(図中B)。これらの海域では、７月下旬には広い範囲で海面水温が平年より高くなっていましたが、８月上旬の前線や低気圧、中旬の台風第８号の影響に加え、平年より風が強かったことや、北海道南東方では日射量が少なかった影響もあり、中旬から下旬にかけて海面水温が平年より高い海域が縮小しました。

東シナ海北部では、上旬に平年より日射量が多かったため、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中C)。

四国・東海沖、関東南東方では、海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中D)。これらの海域では、７月下旬には海面水温が平年より低い海域がみられましたが、８月上旬に平年より日射量が多く、風が弱かった影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられるようになりました。その後、中旬の台風第８号の影響に加え、下旬には関東南東方の東経145度以東で台風第10号の影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。伊豆諸島北部から熊野灘にかけては、黒潮や黒潮から分かれた暖水の影響により、海面水温が平年よりかなり高くなっていました。

東シナ海南部、沖縄の東、父島近海では、上旬に平年より日射量が多く、風が弱かった影響で、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。東シナ海南部の８月の海面水温は、解析値のある1982年以降で年間を通して最も高くなりました。

沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中F)。

南鳥島近海では、海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中G)。この海域では、上旬から中旬にかけて海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、下旬には台風第10号や第11号の影響により、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。

海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。

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