日本近海の海面水温(月概況)
令和4年10月20日 気象庁発表
診断 (2022年9月)
- オホーツク海南部では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中A)。
- 日本海北部では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中B)。
- 北海道南東方では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中C)。
- 日本海南部では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。
- 本州東方では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。
- 東シナ海、沖縄の南では、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中F)。
- 四国・東海沖では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中G)。
- 関東南東方では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中H)。
- 沖縄の東では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中I)。
- 父島近海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中J)。
- 南鳥島近海では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中K)。
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2022年9月)
解説
日本近海の海面水温
オホーツク海南部では、上旬と下旬の暖かく湿った空気の影響に加え、上旬に平年より日射量が多かった影響で、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中A)。
日本海北部では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中B)。この海域では、上旬には海面水温が平年より高い海域がみられましたが、上旬と中旬に平年より風が強かったことや日射量が少なかったこともあり、中旬には海面水温が平年より低い海域がみられるようになりました。
北海道南東方では、広い範囲で海面水温が平年より高く、下層の暖水の影響もあり、平年よりかなり高い海域もみられました(図中C)。
日本海南部では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。
本州東方では、上旬と中旬に平年より日射量が多かったことや、上旬に平年より風が弱かったことに加えて、下層の暖水の影響もあり、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。本州東方では、解析値のある1982年以降で9月としては1999年と並んで1位タイの高い海面水温となりました。
東シナ海、沖縄の南では、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中F)。これらの海域では、8月下旬には、海面水温が平年より高く、特に北緯30度以南では広い範囲で平年よりかなり高くなっていましたが、主に9月上旬・中旬の台風第11号、第12号の影響で 、中旬には広い範囲で海面水温が平年よりかなり低くなりました。
四国・東海沖では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中G)。この海域では、8月下旬に広い範囲で海面水温が平年より高く、9月上旬に平年より日射量が多かったことや、風が弱かった影響もあり、上旬には海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。
関東南東方では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中H)。
沖縄の東では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中I)。この海域では、8月下旬には海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられましたが、9月中旬には台風第14号の影響に加えて、平年より風が強かった影響もあり、海面水温が平年より高い海域がほぼみられなくなりました。
父島近海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中J)。この海域では、8月下旬は広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、9月上旬の平年より日射量が少なかったことや中旬の台風第14号の影響で、中旬には海面水温が平年より低い海域がみられるようになりました。
南鳥島近海では、上旬に平年より日射量が少なかった影響で、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中K)。
- 参考図:日本近海の月平均海面水温分布図(2022年9月)
- 参考図:日本近海の旬平均海面水温分布図(2022年9月) [ 上旬 | 中旬 | 下旬 ]
- 参考図:日本近海の旬平均海面水温平年差分布図(2022年9月) [ 上旬 | 中旬 | 下旬 ]
- 参考図:日本近海の深さ100mの旬平均水温分布図(2022年9月) [ 上旬 | 中旬 | 下旬 ]
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
- 参考情報:台風による水温低下
- 参考情報:北西太平洋の海面水温(2022年9月)
海面水温の診断にあたって
- 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。