日本近海の海面水温(月概況)

令和5年4月20日 気象庁発表

診断 (2023年3月)

  • 日本海北部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。
  • 北海道南東方、本州東方では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中B)。
  • 日本海南部では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。
  • 東シナ海では、海面水温が平年より高い海域がみられ、九州西方を中心に平年よりかなり高い海域もみられました(図中D)。
  • 四国・東海沖、関東南東方の東経143度以西では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。一方、紀伊半島の南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。
  • 沖縄の東、父島近海と南鳥島近海の北緯25度以北では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中G)。一方、父島近海と南鳥島近海の北緯25度以南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中H)。
  • 沖縄の南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中I)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2023年3月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2023年3月)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本海北部では、中旬以降に暖かい空気の影響に加え、下旬に平年より風が弱く、日射量が多かった影響もあり、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。

北海道南東方、本州東方では、下層の暖水の影響に加え、月を通して暖かい空気と平年より風が弱かった影響もあり、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中B)。本州東方の海面水温は、解析値のある1982年以降で3月としては1999年と並んで1位タイの高い海面水温となりました。

日本海南部では、月を通して暖かい空気と平年より風が弱く、日射量が多かった影響で、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。日本海南部の海面水温は、解析値のある1982年以降で3月としては2019年と並んで1位タイの高い海面水温となりました。

東シナ海では、海面水温が平年より高い海域がみられ、九州西方を中心に平年よりかなり高い海域もみられました(図中D)。

四国・東海沖、関東南東方の東経143度以西では、月を通して平年より風が弱かったことや下旬の暖かく湿った空気の影響に加え、四国・東海沖では黒潮や黒潮から分かれた暖水の影響もあり、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。一方、紀伊半島の南では、黒潮大蛇行に伴う冷水渦の影響により、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中F)。

沖縄の東、父島近海と南鳥島近海の北緯25度以北では、下旬の暖かく湿った空気と平年より風が弱かった影響で、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中G)。一方、父島近海と南鳥島近海の北緯25度以南では、上旬と中旬に平年より風が強かったことに加え、日射量が少なかった影響もあり、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中H)。

沖縄の南では、上旬に寒気と平年より風が強かった影響により、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中I)。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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