日本近海の海流(月概況)

令和5年6月20日 気象庁発表

診断(2023年5月)

黒潮(表1)
  • 黒潮は大蛇行していました。
  • 黒潮は、都井岬では、上旬から下旬の前半にかけては離岸し、下旬の後半は接岸して流れていました。足摺岬、室戸岬、潮岬では、月を通して離岸して流れていました。
  • 東海沖の黒潮の最南位置は、上旬は北緯30度、東経138度付近、中旬は北緯30.5度、東経137度付近、下旬は北緯30度、東経137度付近でした。伊豆諸島付近では、月を通して三宅島付近を流れていました。
親潮・対馬暖流(表2)
  • 親潮の南限位置は、上旬は分枝構造がみられ、沿岸寄り分枝の南限位置は、北緯41度、東経143.5度付近、沖合の分枝の南限位置は、北緯40.5度、東経146度付近でした。中旬の親潮の南限位置は北緯41度、東経143度付近、下旬の親潮の南限位置は北緯41度、東経147.5度付近でした。
  • 親潮の面積は、月を通して平年よりかなり小さくなっていました。
  • 対馬暖流の勢力は、月を通して平年よりかなり強くなっていました。

日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2023年5月)
日本近海の深さ100mの月平均水温分布図(2023年5月)

この図の水温は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流

2023年5月の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりでした。

表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の旬ごとの経過
海域・項目 上旬 中旬 下旬
都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 旬の前半は離岸、後半は接岸
足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1 離岸 離岸 離岸
東海沖の黒潮流路の最南位置(※2 北緯30度、東経138度付近 北緯30.5度、東経137度付近 北緯30度、東経137度付近
伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1 三宅島付近 三宅島付近 三宅島付近
房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1 接岸 接岸 接岸
その他の顕著な現象 紀伊半島の南では、上旬に北緯32度、東経135度付近、中旬に北緯32度、東経135.5度付近、下旬に北緯32度、東経136度付近に冷水渦がみられた
四国沖では、中旬に北緯32度、東経132.5度付近に冷水域がみられた
南大東島の北東では、上旬に北緯27度、東経133度付近、中旬、下旬に北緯27度、東経132.5度付近に冷水渦がみられた
南大東島の南から南西では、上旬に北緯24.5度、東経131度付近、中旬に北緯25度、東経130度付近に暖水渦が、下旬に北緯25度、東経129.5度付近に暖水域が、それぞれみられた
沖縄本島の南から宮古島の南東では、上旬に北緯24.5度、東経127.5度付近、中旬に北緯24度、東経126.5度付近に暖水渦が、下旬に北緯24度、東経126度付近に暖水域が、それぞれみられた
石垣島の南東から南西では、上旬に北緯22.5度、東経125度付近、中旬に北緯22.5度、東経124.5度付近、下旬に北緯23度、東経123度付近に冷水域がみられた

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。

 

日本の東と日本海の海流

2023年5月の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりでした。

表2:日本の東と日本海の海流の旬ごとの経過
項目 上旬 中旬 下旬
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3 北緯41度、東経143.5度付近 北緯41度、東経143度付近 北緯41度、東経147.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※3 北緯40.5度、東経146度付近 なし なし
親潮の面積(※4 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※5 北緯39.5度付近(平年より北)(経度は東経144.5度付近) 北緯39.5度付近(平年より北)(経度は東経145度付近) 北緯39.5度付近(平年より北)(経度は東経145度付近)
その他の日本の東の海流 釧路沖では、上旬に北緯41度、東経145.5度付近、中旬に北緯41.5度、東経146.5度付近、下旬に北緯41度、東経146.5度付近に暖水渦がみられた
対馬暖流の勢力(※6 平年よりかなり強い 平年よりかなり強い 平年よりかなり強い

(※)が付いている項目については、「海流の診断の見方」のページもあわせて参照ください。

 

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