日本近海の海面水温(月概況)
令和5年7月20日 気象庁発表
診断 (2023年6月)
- オホーツク海南部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。
- 日本海では、ほぼ全域で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
- 北海道南東方では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。
- 本州東方の東経147度以西では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中D)。
- 東シナ海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。
- 四国・東海沖では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中F)。
- 関東南東方では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中G)。
- 沖縄の東では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中H)。
- 沖縄の南では、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中I)。
- 父島近海、南鳥島近海の北緯25度以北では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中J)。一方、北緯25度以南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中K)。
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2023年6月)
解説
日本近海の海面水温
オホーツク海南部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。
日本海では、5月に海面水温が平年よりかなり高かったことに加え、6月上旬から中旬にかけて平年より日射量が多かったことや、中旬には平年より風が弱かった影響もあり、ほぼ全域で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。日本海北部・南部の海面水温は、解析値のある1982年以降で6月として最も高くなりました。
北海道南東方では、下層の暖水の影響に加え、下旬に平年より日射量が多く、風が弱かった影響もあり、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。北海道南東方の海面水温は、解析値のある1982年以降で6月として最も高くなりました。
本州東方の東経147度以西では、黒潮続流が三陸沖まで北上していたため、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中D)。一方、東経147度以東では、下層の冷水の影響で、海面水温が平年より低くなっていました。
東シナ海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。
四国・東海沖では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中F)。紀伊半島の南では、黒潮大蛇行に伴う下層の冷水の影響で、海面水温が平年より低い海域がみられました。
関東南東方では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中G)。
沖縄の東では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中H)。この海域では、中旬に台風第3号や前線の影響で平年より日射量が少なく、風が強かったことにより、下旬には北緯27度以南で海面水温が平年より低くなりました。
沖縄の南では、5月末から6月初めの台風第2号の影響や、6月中旬に平年より日射量が少なかった影響もあり、広い範囲で海面水温が平年より低く、平年よりかなり低い海域もみられました(図中I)。
父島近海、南鳥島近海の北緯25度以北では、上旬に平年より日射量が多く、風が弱かった影響で、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中J)。一方、北緯25度以南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中K)。
- 参考図:日本近海の月平均海面水温分布図(2023年6月)
- 参考図:日本近海の旬平均海面水温分布図(2023年6月) [ 上旬 | 中旬 | 下旬 ]
- 参考図:日本近海の旬平均海面水温平年差分布図(2023年6月) [ 上旬 | 中旬 | 下旬 ]
- 参考図:日本近海の深さ100mの旬平均水温分布図(2023年6月) [ 上旬 | 中旬 | 下旬 ]
- 参考情報:暖水渦・冷水渦
- 参考情報:台風による水温低下
- 参考情報:北西太平洋の海面水温(2023年6月)
海面水温の診断にあたって
- 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。