日本近海の海面水温(月概況)

令和5年8月21日 気象庁発表

診断 (2023年7月)

  • オホーツク海南部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。
  • 日本海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、東経132度以東では平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
  • 北海道南東方、本州東方では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。
  • 東シナ海では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。
  • 四国・東海沖、関東南東方、父島近海、南鳥島近海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。
  • 沖縄の東では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中F)。
  • 沖縄の南では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中G)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2023年7月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2023年7月)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部では、月を通して平年より風が弱かったことに加え、下旬の暖かい空気の影響もあり、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。

日本海では、6月に海面水温が平年よりかなり高かったことに加え、7月下旬に平年より日射量が多かった影響もあり、6月に引き続き、広い範囲で海面水温が平年より高く、東経132度以東では平年よりかなり高くなっていました(図中B)。

北海道南東方、本州東方では、下層の暖水に加え、下旬に平年より日射量が多かった影響もあり、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。北海道南東方の海面水温は、6月に引き続き、解析値のある1982年以降で7月として最も高くなりました。本州東方では、黒潮続流が三陸沖まで北上していたことにより、東経147度以西で海面水温が平年よりかなり高くなっていました。

東シナ海では、広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中D)。

四国・東海沖、関東南東方、父島近海、南鳥島近海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。これらの海域では、6月下旬には海面水温が平年より低い海域がみられましたが、7月中旬から下旬にかけて平年より日射量が多く、風が弱かった影響に加え、四国・東海沖や関東南東方では、上旬に暖かい空気の影響もあり、下旬には広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなりました。伊豆諸島北部から熊野灘にかけては黒潮や黒潮から分かれた暖水の影響もありました。

沖縄の東では、上旬の暖かい空気と、中旬に平年より日射量が多く、風が弱かった影響により、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中F)。

沖縄の南では、上旬に平年より日射量が多かったことに加え、風が弱かった影響もあり、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中G)。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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