日本近海の海面水温(月概況)

令和5年9月20日 気象庁発表

診断 (2023年8月)

  • オホーツク海南部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。
  • 日本海では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
  • 北海道南東方、本州東方では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。
  • 東シナ海北部では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。
  • 四国・東海沖、関東南東方では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中E)。
  • 東シナ海南部、沖縄の東、沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中F)。
  • 父島近海では、海面水温が平年より高い海域が、南鳥島近海では、海面水温が平年より低い海域が、それぞれみられました(図中G)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2023年8月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2023年8月)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

オホーツク海南部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。

日本海では、7月下旬に海面水温が平年よりかなり高かったことに加え、平年より日射量が多かったことや暖かい空気の影響を受けやすかったこともあり、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。酒田沖から能登半島の東にかけてでは、海面水温が30℃以上の海域もみられました。日本海北部・南部の8月の海面水温は、解析値のある1982年以降で年間を通して最も高くなりました。

北海道南東方、本州東方では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。これは、下層の暖水に加えて、北海道南東方を中心に平年より日射量が多かった影響もあったと考えられます。北海道南東方、本州東方の8月の海面水温は、解析値のある1982年以降で年間を通して最も高くなりました。

東シナ海北部では、中旬から下旬にかけて平年より日射量が多く、風が弱かった影響で、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。

四国・東海沖、関東南東方では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中E)。これらの海域では、7月下旬には広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、台風第6号および台風第7号の影響で、8月中旬には海面水温が平年より低い海域がみられるようになりました。下旬には、平年より風が弱かった影響で、海面水温が平年より低い海域が縮小し、平年より高い海域が拡大しました。

東シナ海南部、沖縄の東、沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中F)。これらの海域では、上旬には台風第6号の影響で海面水温が平年より低い海域がみられましたが、中旬以降、平年より風が弱かったことに加え、東シナ海南部と沖縄の南では下旬に平年より日射量が多かった影響もあり、下旬には広い範囲で海面水温が平年より高くなり、平年よりかなり高い海域もみられるようになりました。

父島近海では、海面水温が平年より高い海域が、南鳥島近海では、海面水温が平年より低い海域が、それぞれみられました(図中G)。これらの海域では、上旬には広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられましたが、中旬には台風第7号の影響で広い範囲で海面水温が平年より低くなり、平年よりかなり低い海域もみられるようになりました。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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