日本近海の海面水温(月概況)

令和6年3月21日 気象庁発表

診断 (2024年2月)

  • 日本海北部では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。
  • 北海道南東方、本州東方では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
  • 日本海南部、東シナ海、四国・東海沖、沖縄の東では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。
  • 関東南東方では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中D)。
  • 沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中E)。
  • 父島近海では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中F)。
  • 南鳥島近海では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中G)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2024年2月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2024年2月)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本近海の海面水温は広い範囲で平年よりかなり高くなっていました。北海道南東方、本州東方の各海域の海面水温は、解析値のある1982年以降で、2月として最も高くなりました。

日本海北部では、1月下旬に海面水温が平年より高かったことに加え、2月中旬の暖かく湿った空気の影響もあり、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中A)。

北海道南東方、本州東方では、下層の暖水の影響で、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。

日本海南部、東シナ海、四国・東海沖、沖縄の東では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。これらの海域では、1月下旬に海面水温が平年より高かったことに加え、2月上旬から中旬にかけての暖かく湿った空気や平年より風が弱かったことが要因と考えられます。一方、四国・東海沖では、黒潮大蛇行に伴う下層の冷水の影響で、海面水温が平年より低い海域もみられました。

関東南東方では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中D)。この海域では、上旬には海面水温が平年より低い海域がみられましたが、上旬から中旬にかけて暖かく湿った空気の影響に加えて、平年より風が弱かったこと、中旬に平年より日射量が多かった影響で、中旬には海面水温が平年より高い海域が拡大しました。

沖縄の南では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中E)。

父島近海では、上旬に暖かく湿った空気や平年より風が弱かった影響で、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中F)。

南鳥島近海では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中G)。この海域では、中旬に平年より風が強かったことや、中旬から下旬にかけての寒気の影響で、下旬には海面水温が平年より低い海域が拡大しました。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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