日本近海の海面水温(月概況)

令和6年7月22日 気象庁発表

診断 (2024年6月)

  • オホーツク海南部では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中A)。
  • 日本海では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
  • 北海道南東方、本州東方では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。
  • 東シナ海北部では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。
  • 四国・東海沖では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。
  • 関東南東方では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中F)。
  • 東シナ海南部では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中G)。
  • 沖縄の東、沖縄の南、父島近海、南鳥島近海の北緯25度以北では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中H)。一方、南鳥島近海の北緯25度以南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中I)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2024年6月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2024年6月)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本近海の海面水温は、北緯35度以北の広い範囲で平年よりかなり高くなっていました。

オホーツク海南部では、平年より日射量が少なかったことに加え、下旬に平年より風が強かった影響もあり、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中A)。

日本海では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。この海域では、中旬に平年より風が弱く日射量が多かったことに加え、暖かく湿った空気の影響もあり、中旬以降、海面水温が平年よりかなり高い海域が拡大しました。

北海道南東方、本州東方では、下層の暖水の影響に加え、中旬と下旬に平年より日射量が多かったことと暖かく湿った空気の影響もあり、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。

東シナ海北部では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。

四国・東海沖では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。一方、黒潮大蛇行に伴う下層の冷水の影響で、海面水温が平年よりかなり低い海域もみられました。

関東南東方では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中F)。この海域では、5月下旬に広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、6月上旬に寒気の影響や平年より日射量が少なかった影響で、上旬と中旬に海面水温が平年より高い海域が縮小しました。

東シナ海南部では、下旬に平年より日射量が多かったことや暖かく湿った空気の影響で、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中G)。

沖縄の東、沖縄の南、父島近海、南鳥島近海の北緯25度以北では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中H)。これらの海域では、5月下旬に広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、6月上旬に寒気の影響や平年より日射量が少なかった影響で、上旬と中旬に海面水温が平年より高い海域が縮小しました。その後、中旬の暖かく湿った空気の影響に加え、下旬に平年より風が弱く日射量が多かった影響で、下旬に海面水温が平年より高い海域が拡大し、平年よりかなり高い海域もみられるようになりました。一方、南鳥島近海の北緯25度以南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中I)。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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