日本近海の海面水温(月概況)

令和6年9月20日 気象庁発表

診断 (2024年8月)

  • オホーツク海南部では、海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。
  • 日本海北部では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
  • 北海道南東方では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。
  • 日本海南部、東シナ海北部では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。
  • 本州東方では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。
  • 四国・東海沖では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中F)。
  • 関東南東方の東経146度以西では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中G)。一方、関東南東方の東経146度以東では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中H)。
  • 東シナ海南部、沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中I)。
  • 沖縄の東では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中J)。
  • 父島近海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中K)。
  • 南鳥島近海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中L)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2024年8月)
日本近海の月平均海面水温平年差分布図(2024年8月)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本近海の海面水温は広い範囲で平年よりかなり高くなっていました。解析値のある1982年以降で、8月として、日本海北部、東シナ海北部、四国・東海沖、東シナ海南部、沖縄の東では1位、日本海南部では2023年と並んで1位タイの高い海面水温となりました。東シナ海、四国・東海沖、沖縄の東、沖縄の南の海面水温は、広い範囲で30℃以上となり、中旬には東シナ海を中心に、海面水温が32℃以上の海域もみられました。

オホーツク海南部では、海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。

日本海北部では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。

北海道南東方では、下層の暖水の影響に加え、暖かく湿った空気の影響もあり、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。

日本海南部、東シナ海北部では、7月下旬に広い範囲で海面水温が平年より高かったことや、7月下旬から8月上旬前半にかけて平年より日射量が多かった影響で、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。

本州東方では、下層の暖水の影響で、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中E)。この海域では、7月下旬に広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、8月上旬と中旬に台風第5号、台風第7号の影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域もみられるようになりました。

四国・東海沖では、7月下旬に海面水温が平年よりかなり高かったことに加え、8月上旬に平年より日射量が多く、平年より風が弱かった影響もあり、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中F)。

関東南東方の東経146度以西では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中G)。一方、関東南東方の東経146度以東では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中H)。これらの海域では、7月下旬に広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、8月上旬と中旬に台風第5号、第7号の影響で、海面水温が平年より高い海域が縮小し、平年より低い海域が拡大しました。

東シナ海南部、沖縄の南では、上旬と下旬に平年より風が弱く、平年より日射量が多かった影響で、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中I)。

沖縄の東では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中J)。この海域では、上旬と中旬に海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、中旬に台風第7号、下旬に台風第10号の影響で、海面水温が平年よりかなり高い海域が縮小しました。

父島近海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中K)。この海域では、7月下旬に広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、8月上旬に台風第5号、中旬に台風第7号、下旬に台風第10号の影響で、中旬以降、海面水温が平年より低い海域がみられるようになりました。

南鳥島近海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中L)。この海域では、7月下旬に広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていましたが、平年より日射量が少なかったことに加え、平年より風が強かった影響もあり、海面水温が平年より高い海域が縮小しました。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

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