日本近海の海面水温（月概況）

令和6年10月21日 気象庁発表

診断 (2024年9月)

  • オホーツク海南部では、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。
  • 日本海北部では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。
  • 北海道南東方では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。
  • 日本海南部、東シナ海、沖縄の南では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。
  • 本州東方では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。
  • 四国・東海沖では、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中F)。
  • 関東南東方では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中G)。
  • 沖縄の東では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中H)。
  • 父島近海では、北緯25度以北では広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中I)。一方、北緯25度以南では、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中J)。
  • 南鳥島近海では、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中K)。

日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2024年9月）
日本近海の月平均海面水温平年差分布図（2024年9月）

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

日本近海の海面水温

日本近海の海面水温は広い範囲で平年よりかなり高くなっていました。日本海南部、本州東方、東シナ海北部、四国・東海沖、東シナ海南部、沖縄の南の各海域の海面水温は、解析値のある1982年以降で、9月として最も高くなりました。

オホーツク海南部では、上旬に平年より日射量が多かった影響や暖かく湿った空気の影響もあり、広い範囲で海面水温が平年より高く、平年よりかなり高い海域もみられました(図中A)。

日本海北部では、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中B)。

北海道南東方では、下層の暖水の影響に加え、上旬に平年より日射量が多かった影響で、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中C)。

日本海南部、東シナ海、沖縄の南では、8月下旬に海面水温が平年よりかなり高くなっていたことに加え、9月上旬に平年より日射量が多く、風が弱かった影響もあり、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中D)。

本州東方では、下層の暖水の影響に加え、上旬と中旬に平年より日射量が多かった影響や暖かく湿った空気の影響もあり、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中E)。

四国・東海沖では、上旬と中旬に平年より日射量が多かった影響に加え、暖かく湿った空気や平年より風が弱かった影響もあり、海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中F)。

関東南東方では、上旬と中旬に平年より風が弱かった影響に加え、平年より日射量が多かったことや暖かく湿った空気の影響もあり、広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっていました(図中G)。

沖縄の東では、海面水温が平年よりかなり高い海域がみられました(図中H)。この海域では、中旬に台風第13号、第14号の影響で、海面水温が平年より低い海域がみられるようになりましたが、下旬に平年より風が弱かった影響に加え、暖かく湿った空気の影響もあり、海面水温が平年より低い海域がみられなくなり、海面水温が平年より高い海域が拡大しました。

父島近海では、北緯25度以北では広い範囲で海面水温が平年より高くなっていました(図中I)。一方、北緯25度以南では、上旬に平年より日射量が少なかった影響に加え、中旬に台風第13号、第14号の影響で、海面水温が平年より低い海域がみられました(図中J)。

南鳥島近海では、上旬と下旬に平年より風が弱く、日射量が多かった影響で、海面水温が平年より高い海域がみられました(図中K)。

海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位（下位）1/10以上（以下）を「平年よりかなり高い（低い）」としています。

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