日本沿岸の月平均潮位の変動

2019年6月20日発表
気象庁地球環境・海洋部

診断(2019年5月)

2019年5月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均に比べ、 大東島地方の沿岸で甚だ高く、三宅島と沖縄・奄美の沿岸でかなり高く、 父島と東海地方から熊野灘にかけての一部の沿岸でやや高い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2019年5月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を終了または休止しています。

所管機関が気象庁から、下関は国土交通省港湾局へ、銚子漁港は千葉県へ変更になりましたが、診断への利用を継続しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH  
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

大東島地方の近海には暖水渦があり、海面水位が高いところに位置していました。
三宅島では付近を黒潮が流れており、海面水位が高いところに位置していました。
東海地方から熊野灘にかけての一部の沿岸では黒潮から分かれた海流の暖水波及がありました。
父島、沖縄・奄美の沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ高い状態でした。

これらのことから、月平均潮位が三宅島、父島、東海地方から熊野灘にかけての一部、沖縄・奄美の沿岸で高くなったと考えられます。

(参考情報:月平均表層水温の偏差

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量(検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値)と最近5年間(2014~2018年)のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。

(参考情報:潮汐概況

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