日本沿岸の月平均潮位の変動
2025年3月21日 気象庁発表
(次回発表予定 2025年4月21日)
診断(2025年2月)
2025年2月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均に比べ、北海道地方の沿岸および津軽海峡ではやや~かなり高く、父島ではかなり高い状態でした。一方、東海地方および西日本の沿岸ではやや~かなり低く、沖縄本島地方ではやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。ただし、赤羽根、阿波由岐、高知、宇和島、種子島、奄美、南大東は2月のデータが欠測となっています。
2025年2月 月平均潮位偏差分布
月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を休止しています。詳しくは、「潮位観測施設への平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響」をご覧ください。
令和6年(2024年)能登半島地震の影響により、■で示した地点は診断での利用を休止しています。
所管機関が気象庁から、下関は国土交通省港湾局へ、銚子漁港は千葉県へ変更になりましたが、診断への利用を継続しています。
偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。
甚だ高い | +20 ≤ | ΔH |
かなり高い | +10 ≤ | ΔH < | +20 |
やや高い | +5 ≤ | ΔH < | +10 |
例年並 | -5 ≤ | ΔH < | +5 |
やや低い | -10 ≤ | ΔH < | -5 | かなり低い | -20 ≤ | ΔH < | -10 |
甚だ低い | | ΔH < | -20 |
解説
北海道地方の沿岸および津軽海峡では、2025年2月の月平均海面気圧は、最近5年間の同月の平均に比べ、約6~8hPa程度低くなりました。
父島では、月を通して、周辺に暖水域があり、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
東海地方および西日本の沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ低い状態でした。
沖縄本島地方では、月を通して、周辺に冷水渦があり、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ低い状態でした。
これらのことから、月平均潮位が北海道地方の沿岸および津軽海峡ではやや~かなり高く、父島ではかなり高い状態になった一方、東海地方および西日本の沿岸ではやや~かなり低く、沖縄本島地方ではやや低い状態になったものと考えられます。
(参考情報:月平均表層水温の偏差、月平均海面気圧の偏差)
なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量(検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値)と最近5年間(2020~2024年)のデータの平均値との差としています。
また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
ただし、赤羽根、阿波由岐、高知、宇和島、種子島、奄美、南大東は2月のデータが欠測となっています。
(参考情報:潮汐概況)
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