日本沿岸の月平均潮位の変動

2021年3月22日 気象庁発表

診断(2021年2月)

2021年2月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均に比べ、北海道地方と東北日本海側及び北陸地方の沿岸、東日本から西日本にかけての太平洋側の沿岸ではかなり~やや高く、九州西岸と西日本日本海側の沿岸ではやや高い状態でした。一方、奄美地方の沿岸でやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2021年2月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を終了または休止しています。

所管機関が気象庁から、下関は国土交通省港湾局へ、銚子漁港は千葉県へ変更になりましたが、診断への利用を継続しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH  
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

2021年2月の月平均海面気圧は、最近5年間の同月の平均に比べ、北海道地方では6hPa程度低く、それ以外の地域では2~4hPa程度低くなりました。
北日本と北陸地方では、2月中旬に北海道付近で急速に発達した低気圧の影響(吸い上げ効果、吹き寄せ効果)がありました。
東日本から西日本にかけての太平洋側の沿岸では、黒潮及び黒潮から分かれた暖水の影響がありました。
九州西岸と西日本日本海側の沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
奄美地方の沿岸では、冷水域がありました。
これらのことから、月平均潮位が、北海道地方と東北日本海側及び北陸地方の沿岸、東日本から西日本にかけての太平洋側の沿岸ではかなり~やや高く、九州西岸と西日本日本海側の沿岸ではやや高い状態になった一方、奄美地方の沿岸でやや低い状態になったものと考えられます。

(参考情報:月平均表層水温の偏差関東・東海・北陸周辺海域の深さ100mの水温分布図、深さ50mの海流分布図(2月18日)近畿・中国・四国周辺海域の深さ100mの水温分布図、深さ50mの海流分布図(2月18日)九州・山口県周辺海域の深さ100mの水温分布図、深さ50mの海流分布図(2月18日)

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量(検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値)と最近5年間(2016~2020年)のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
ただし、銚子漁港は2月のデータが欠測となっています。

(参考情報:潮汐概況

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