日本沿岸の月平均潮位の変動

2022年9月20日 気象庁発表

診断(2022年8月)

2022年8月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均に比べて、北日本、東日本から西日本にかけての日本海側、熊野灘から四国地方の太平洋側でかなり〜やや高い状態でした。また、瀬戸内海東部、三宅島及び大東島地方でやや高い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2022年8月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を終了または休止しています。

所管機関が気象庁から、下関は国土交通省港湾局へ、銚子漁港は千葉県へ変更になりましたが、診断への利用を継続しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH  
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

北日本の沿岸では、月平均海面気圧が最近5年間の同月の平均に比べ1~4hPa程度低かったこと及び低気圧の接近・通過に伴う吹き寄せの影響で月平均潮位がやや~かなり高くなりました。
東日本から西日本にかけての日本海側の沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高かったこと及び南西風が続いたことの影響で月平均潮位がやや~かなり高くなりました。
熊野灘から四国地方の太平洋側及び瀬戸内海東部の沿岸では、黒潮及び黒潮から分かれた暖水の影響で、月平均潮位がやや~かなり高くなりました。
三宅島では、期間を通して付近を黒潮が流れており、海面水位が高いところに位置していたため、月平均潮位がやや高くなりました。
大東島地方では、付近にあった暖水渦の影響で月平均潮位がやや高くなりました。
(参考情報:沖縄周辺海域の海面高度偏差分布図(8月9日)月平均表層水温の偏差月平均海面気圧の偏差

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量(検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値)と最近5年間(2017~2021年)のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
(参考情報:潮汐概況

このページのトップへ