日本沿岸の月平均潮位の変動

2022年12月20日 気象庁発表

診断(2022年11月)

2022年11月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均に比べて、伊豆諸島、東海地方及び西日本の近畿北部を除く沿岸でかなり~やや高く、奄美地方、大東島地方及び与那国島地方の沿岸でやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2022年11月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を終了または休止しています。

所管機関が気象庁から、下関は国土交通省港湾局へ、銚子漁港は千葉県へ変更になりましたが、診断への利用を継続しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH  
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

伊豆諸島では、期間を通して付近を黒潮が流れており、海面水位が高いところに位置していました。
東海地方から熊野灘の沿岸では、黒潮及び黒潮から分かれた暖水の影響がありました。
西日本の近畿北部を除く沿岸では、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べて高い状態にありました。また、中旬や下旬に通過した低気圧の影響を受けて潮位が上昇した期間がありました。
奄美地方、大東島地方及び与那国島地方では、付近に冷水域があった期間があり、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べて低い状態でした。
これらのことから、月平均潮位が伊豆諸島、東海地方及び西日本の近畿北部を除く沿岸でかなり~やや高い状態になった一方、奄美地方、大東島地方及び与那国島地方の沿岸でやや低い状態になったものと考えられます。
(参考情報:沖縄周辺海域の海面高度偏差分布図(11月9日)月平均表層水温の偏差

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量(検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値)と最近5年間(2017~2021年)のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
(参考情報:潮汐概況

このページのトップへ