日本沿岸の月平均潮位の変動

2023年6月20日 気象庁発表

診断(2023年5月)

2023年5月の月平均潮位は、紀伊半島の一部、沖縄本島地方でやや高い状態でした。一方、大東島地方でやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2023年5月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を休止しています。

所管機関が気象庁から、下関は国土交通省港湾局へ、銚子漁港は千葉県へ変更になりましたが、診断への利用を継続しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH  
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

紀伊半島の一部では、黒潮及び黒潮から分かれた暖水の影響があり月平均潮位がやや高くなりました。
大東島地方では、期間を通して南大東島の北東に冷水渦があり、表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ低かった影響があったため、月平均潮位がやや低くなりました。
沖縄本島地方では、表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ高かった影響があったため、月平均潮位がやや高くなりました。加えて、この地域では、地盤が沈降しており、地盤の変動がない時の潮位と比べ、高めに観測されている状態でした。
(参考情報:月平均表層水温の偏差地盤上下変動量

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量(検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値)と最近5年間(2018~2022年)のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
(参考情報:潮汐概況

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