日本沿岸の月平均潮位の変動

2023年7月20日 気象庁発表

診断(2023年6月)

2023年6月の月平均潮位は、最近5年間の同月の平均に比べ、西日本の沿岸でやや~かなり高く、沖縄本島地方でやや高い状態でした。一方、東海地方の沿岸、大東島地方、八重山地方でやや低い状態でした。
その他の地方の沿岸は、ほぼ例年並でした。
月平均潮位偏差分布

2023年6月 月平均潮位偏差分布


月平均潮位偏差とは、最近5年間の月平均値からの差で、正(負)の値は最近5年間の月平均値より高い(低い)ことを示しています。偏差は、図の下方にあるスケールと同じ色で分類されています。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響により、▲で示した地点は診断での利用を休止しています。

所管機関が気象庁から、下関は国土交通省港湾局へ、銚子漁港は千葉県へ変更になりましたが、診断への利用を継続しています。

偏差をΔHとすると、ΔHの分類は以下のとおりです。


甚だ高い +20 ≤ ΔH  
かなり高い +10 ≤ ΔH < +20
やや高い +5 ≤ ΔH < +10
例年並 -5 ≤ ΔH < +5
やや低い -10 ≤ ΔH < -5
かなり低い -20 ≤ ΔH < -10
甚だ低い ΔH < -20

解説

東海地方の沿岸、大東島地方では、表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ低い状態でした。
近畿北部の沿岸、山陰の沿岸、四国地方の太平洋沿岸、九州の沿岸の一部では表層水温が最近5年間の同月の平均に比べ高い状態でした。
紀伊半島の一部では、黒潮及び黒潮から分かれた暖水の影響があり月平均潮位がやや~かなり高い状態でした。
沖縄本島地方では、沖縄本島の南に暖水渦があり、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ高い状態でした。
八重山地方では、中旬から下旬に石垣島の南に冷水域があった影響で、月平均表層水温が最近5年間の同月の平均と比べ低い状態でした。
これらのことから、西日本の沿岸でやや~かなり高く、沖縄本島地方でやや高くなった一方、東海地方の沿岸、大東島地方、八重山地方でやや低い状態になったものと考えられます。
(参考情報:月平均表層水温の偏差

なお、このページにおける偏差は、潮位、水温、海面気圧、地盤上下変動量(検潮所周辺の国土地理院のGPS観測データをもとに気象庁で計算した推定値)と最近5年間(2018~2022年)のデータの平均値との差としています。 また、月平均潮位偏差の各地点の値は潮汐概況に掲載しています。
(参考情報:潮汐概況

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