日本沿岸の潮位の年概況（２０１５年）
平成28年3月22日発表
気象庁地球環境・海洋部
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平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震で観測機器の破損や地盤の変動が大きかった東北地方の地点（青森県八戸～福島県小名浜）については、診断での利用を終了または休止しています。 また、それ以外の地点においても、潮位観測値に地盤の変動の影響が含まれている可能性があります。 下関は、所管機関が国土交通省港湾局へ変更になり、名称が弟子待検潮所となりましたが、観測は同一地点で続けており、診断への利用を継続しています。 月平均潮位
2015年の月平均潮位と最近5年間（2010～2014年）の同月の平均値との差（ΔH）を図に示します。各月の特徴は以下のとおりです。なお、ΔHの区分は次のとおりです。
1月
瀬戸内海東部及び紀伊半島南西岸から豊後水道にかけての沿岸でやや～かなり高い状態でした。また、東海地方の一部沿岸及び南大東島でやや高い状態でした。一方、沖縄本島及び石垣島でやや低い状態でした。
2月
東北日本海側から山陰にかけての沿岸でやや高い状態でした。一方、南大東島、沖縄本島、与那国島および父島でやや低い状態でした。
3月
南大東島でかなり低く、関東地方南部から伊豆諸島北部にかけての沿岸でやや～かなり低く、紀伊半島南西岸及び父島でやや低い状態でした。
4月
奄美地方の沿岸でやや高い状態でした。一方、三宅島と南大東島で甚だ低く、関東から伊豆半島の一部沿岸でやや～かなり低く、北海道の一部沿岸、東北の沿岸、北陸の一部沿岸、与那国島でやや低い状態でした。
5月
北海道の一部沿岸、父島、南大東島でやや高い状態でした。一方、三宅島で甚だ低く、伊豆大島でかなり低く、関東から東海、四国太平洋側の一部沿岸、沖縄本島でやや低い状態でした。
6月
北海道の一部沿岸及び石垣島でやや高い状態でした。 一方、伊豆諸島でかなり～甚だ低く、関東地方から四国地方にかけての一部沿岸、種子島、沖縄本島、南大東島及び与那国島でやや低い状態でした。
7月
父島、奄美大島、沖縄本島及び石垣島でかなり高く、四国地方太平洋側の一部沿岸及び与那国島でやや高い状態でした。 一方、南大東島でかなり低く、東北地方から山陰にかけての日本海沿岸及び伊豆大島でやや低い状態でした。
8月
関東地方から東海地方の沿岸でやや～かなり高く、近畿地方から九州地方にかけての太平洋沿岸及び瀬戸内海東部の一部沿岸、沖縄本島でやや高い状態でした。 一方、石垣島と南大東島でやや低い状態でした。
9月
東海地方の沿岸でやや高い状態でした。 一方、三宅島で甚だ低く、南大東島でかなり低く、東北地方から山陰にかけての日本海沿岸でやや～かなり低く、父島でやや低い状態でした。
10月
北海道の一部沿岸でやや～かなり高く、沖縄本島でやや高い状態でした。 一方、三宅島、種子島及び南大東島でかなり低く、近畿地方から四国地方の太平洋側沿岸と九州地方の沿岸でやや～かなり低く、関東地方から東海地方の沿岸、伊豆大島、父島及び瀬戸内海でやや低い状態でした。
11月
奄美地方の沿岸でやや高い状態でした｡ 一方、三宅島と南大東島でかなり低く、北海道の沿岸と東北地方から近畿地方の日本海沿岸でやや～かなり低い状態でした。また、関東地方の沿岸の一部、瀬戸内海、紀伊水道、四国地方の太平洋沿岸の一部でやや低い状態でした。
12月
八重山地方の沿岸と種子島でかなり高く、東海地方の沿岸、瀬戸内海西部と九州太平洋側の沿岸を除く西日本の沿岸、父島及び南大東島でやや高い状態でした｡ 一方、北海道の一部沿岸と津軽海峡でやや低い状態でした。
2015年の月平均潮位と最近5年間（2010～2014年）の各月の平均値との差（ΔH） 赤は例年より高いことを、青は例年より低いことを示します。 2011年3月11日に発生した平成23年（2011年）東北地方太平洋沖地震に伴う津波によって潮位観測施設が被害を受け、2015年3月16日まで従前の観測点と場所が異なる臨時観測点で観測を行っていた宮古はグラフを掲載していません。 高潮
2015年に最大潮位偏差50cm以上の高潮は24回発生しました。大きな潮位偏差を記録した地点及び最大潮位偏差と主な要因は次のとおりです。なお、同一現象により発生した最大潮位偏差50cm以上の高潮が5地点を超えた場合は、潮位偏差の大きい上位5地点及び最大潮位偏差50cm以上の高潮を記録した全地点数を記載します。*は当該現象時に欠測があったことを示します。 1月6日～8日
能登*54cm、稚内53cm、小樽52cm（低気圧及び冬型気圧配置） 2月8日～10日
能登52cm（冬型気圧配置） 2月13日
能登55cm（低気圧） 3月5日
能登65cm（冬型気圧配置） 3月10日～12日
能登89cm、花咲72cm、釧路67cm（低気圧及び冬型気圧配置） 4月3日
小樽59cm（低気圧） 5月11日～13日
東京57cm、石垣57cm（台風第6号及び台風第6号から変わった低気圧） 6月28日
能登58cm（低気圧） 7月10日～11日
石垣63cm、与那国50cm（台風第9号） 7月15日～17日
御坊130cm、阿波由岐119cm、小松島109cm、赤羽根97cm、宇野93cm等、計22地点（台風第11号） 7月25日
奄美87cm（台風第12号） 8月7日～8日
石垣72cm、与那国55cm（台風第13号） 8月23日～26日
枕崎144cm、鹿児島109cm、松山93cm、石垣77cm、名古屋76cm等、計17地点（台風第15号及び台風第15号から変わった低気圧） 9月9日
赤羽根93cm、鳥羽84cm、名古屋68cm（台風第18号） 9月11日～12日
花咲51cm（台風第17号及び台風第17号から変わった低気圧） 9月28日
与那国73cm、石垣65cm（台風第21号） 10月1日～2日
稚内91cm、釧路72cm、小樽65cm、能登58cm、大阪53cm等、計8地点（低気圧） 10月8日～9日
花咲119cm、釧路102cm、網走79cm、能登66cm、宮古65cm等、計6地点（台風第23号及び台風第23号から変わった低気圧） 10月12日
稚内54cm（低気圧） 10月25日
網走50cm（低気圧） 11月27日～28日
能登68cm、花咲57cm（低気圧） 12月3日～5日
能登73cm、舞鶴51cm（低気圧及び冬型気圧配置） 12月10日～11日
大阪92cm、神戸82cm、赤羽根80cm、和歌山74cm、洲本72cm等、計22地点（低気圧） 12月26日～27日
能登53cm（低気圧及び冬型気圧配置） 津波
2015年に観測された津波は次のとおりです。なお、津波の高さとして、津波情報で使用されている「最大の高さの波」（津波がなかったとした場合の海面からの高さが最大となる波）を掲載します。括弧内には最大波高（全振幅）を併記します。*は観測精度0.1mの巨大津波観測計によって観測された値を示します。 2月17日
2月17日に発生した三陸沖の地震に伴い、宮古（臨時）で11cm（17cm）、えりも町庶野で0.1m*（0.2m）など、北海道地方から東北地方の太平洋沿岸で津波を観測しました。 5月3日
5月3日に発生した鳥島近海の地震に伴い、八丈島八重根で0.6m*（1.0m）、三宅島（坪田）で19cm（38cm）など、関東地方から四国地方の太平洋沿岸及び南西諸島の沿岸で津波を観測しました。 9月18日
9月17日に発生したチリ中部沿岸の地震に伴い、八丈島八重根で0.5m*（0.8m）、えりも町庶野で0.5m*（0.7m）など、北海道地方から九州地方の太平洋沿岸及び南西諸島の沿岸で津波を観測しました。 異常潮位
2015年に記録された顕著な異常潮位は、次のとおりです。 6月下旬～7月下旬
宮古島地方と石垣島地方の沿岸で、海水温が周囲に比べて高く、海面の盛り上がりを伴う「暖水域」が接近したことが原因とみられる異常潮位が観測されました。最大で+20～30cmの潮位偏差を観測しました。 副振動
2015年に観測された最大全振幅が100cm以上の顕著な副振動は、次のとおりです。 2月25日
長崎122cm 4月5日
長崎136cm 7月16日
御坊122cm 8月22日
三宅島（坪田）102cm |