日本沿岸の潮位の年概況
2025年2月20日 気象庁発表
(次回発表予定 2026年2月20日)
月平均潮位
2024年の月平均潮位と最近5年間(2019~2023年)の同月の平均値との差(ΔH)を図に示します。各月の特徴は以下のとおりです。なお、ΔHの区分は次のとおりです。
※平成23年(2011年)東北太平洋沖地震の影響による地盤変動の影響が大きいことから、宮古、大船渡、鮎川、小名浜については概況を記載していません。 1月
三宅島と奄美地方ではかなり高く、沖縄本島地方でやや高い状態でした。一方、大東島地方で甚だ低い状態でした。
2月
九州の沿岸と奄美地方ではやや高い状態でした。一方、北海道地方の沿岸ではやや~かなり低く、東北地方と北陸地方の沿岸ではやや低く、大東島地方でかなり低い状態でした。
3月
関東地方の沿岸でやや~かなり高く、伊豆諸島、父島、東海地方の一部沿岸、四国地方の太平洋沿岸、九州南部の沿岸でやや高い状態でした。一方、八重山地方の沿岸でやや低い状態でした。
4月
父島でかなり高い状態でした。
5月
父島でかなり低く、東海地方から四国地方にかけての沿岸、沖縄本島地方、および大東島地方でやや低い状態でした。
6月
父島でかなり低い状態でした。一方、東海地方の沿岸の一部、種子島、及び石垣島地方でやや高い状態でした。
7月
三宅島でかなり高く、北海道地方の沿岸および津軽海峡、東北地方の日本海側から山陰にかけての沿岸では、やや~かなり高く、東海地方の沿岸の一部、種子島、大東島地方、八重山地方でやや高い状態でした。
8月
父島で甚だ高く、東日本の太平洋沿岸でやや~かなり高く、四国地方から九州の太平洋沿岸の一部、対馬、奄美地方、八重山地方でやや高い状態でした。
9月
父島でかなり高く、大東島地方、石垣島地方でやや高い状態でした。一方、東海地方から九州にかけての太平洋沿岸及び瀬戸内海でやや~かなり低い状態でした。
10月
大東島地方及び八重山地方でかなり高い状態でした。一方、北日本の日本海沿岸及び津軽海峡ではやや~かなり低く、東日本から西日本にかけての日本海沿岸、瀬戸内海と四国地方の太平洋沿岸の一部及び父島ではやや低い状態でした。
11月
三宅島でかなり高く、大東島地方を除く沖縄・奄美でやや~かなり高く、東海地方から四国にかけての太平洋側及び九州の沿岸でやや高い状態でした。一方、北日本の一部の沿岸と大東島地方でやや低い状態でした。
12月
大東島地方を除く沖縄・奄美と北海道地方でやや~かなり高く、津軽海峡、東北地方の日本海側から山陰にかけての沿岸、東日本太平洋側ではやや高い状態でした。一方、大東島地方ではかなり低い状態でした。
高潮
2024年に最大潮位偏差50cm以上の高潮は9回発生しました。大きな潮位偏差を記録した地点及び最大潮位偏差と主な要因は次のとおりです。なお、同一現象により発生した最大潮位偏差50cm以上の高潮が5地点を超えた場合は、潮位偏差の大きい上位5地点及び最大潮位偏差50cm以上の高潮を記録した全地点数を記載します。*は当該期間に欠測があったことを示します。 1月25日
網走51cm(低気圧) 3月26日
鳥羽54cm(低気圧) 3月28日
長崎50cm(低気圧) 3月29日
東京55cm(前線) 8月28~29日
枕崎99cm、鹿児島*87cm、種子島*55cm(台風第10号) 9月14日
奄美78cm(台風第13号) 9月18日
奄美53cm(台風第14号) 10月31日
与那国57cm(台風第21号) 11月2日
長崎68cm、大阪65cm、神戸59cm、淡輪57cm(低気圧) 津波
2024年に観測された津波は次のとおりです。なお、津波の高さとして、津波情報で使用されている「最大の高さの波」(津波がなかったとした場合の海面からの高さが最大となる波)を掲載します。括弧内には最大波高(全振幅)を併記します。*は観測精度0.1mの巨大津波観測計によって観測された値を示します。 1月1~2日
1月1日に発生した令和6年能登半島地震に伴い、酒田で0.8m*(1.2m)、富山で79cm(117cm)など、東北地方から西日本にかけての日本海側、北海道地方の沿岸で津波を観測しました。 4月3日
4月3日に発生した台湾付近の地震に伴い、与那国で27cm(45cm)、石垣で17cm(29cm)の津波を観測しました。 8月8日
8月8日に発生した日向灘の地震に伴い、油津で40cm(78cm)、土佐清水で25cm(49cm)など、関東地方から九州にかけての太平洋沿岸、小笠原諸島、奄美地方の沿岸で津波を観測しました。 9月24日
9月24日に発生した鳥島近海の地震に伴い、八丈島八重根で0.7m*(1.1m)、三宅島(坪田)で14cm(25cm)など、関東地方から四国地方にかけての太平洋沿岸、伊豆諸島、奄美地方の沿岸で津波を観測しました。 異常潮位
2024年に顕著な異常潮位は、次のとおりです。 6月上旬~7月上旬
東海地方の一部沿岸では、黒潮による暖かい海水の一部が駿河湾から遠州灘にかけて流れ込んでいることが原因の一つとして考えられる異常潮位が観測されました。この異常潮位により、最大で+28~36cmの潮位偏差を観測しました。 7月上旬~7月中旬
北陸地方から山陰にかけての一部沿岸では、西風が吹き続けたことや、対馬暖流が強まって海水温が高まっていることなどが影響していると考えられる異常潮位が観測されました。この異常潮位により、最大で+20~26cmの潮位偏差を観測しました。 副振動
2024年は最大全振幅が100cm以上の顕著な副振動は観測されませんでした。 関連情報海洋の知識
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