日本沿岸の潮位の年概況(2022年)

2023年2月20日 気象庁発表
(2023年3月20日 津波の記載を一部更新)

月平均潮位

2022年の月平均潮位と最近5年間(2017~2021年)の同月の平均値との差(ΔH)を図に示します。各月の特徴は以下のとおりです。なお、ΔHの区分は次のとおりです。

甚だ高い +20cm ≤ ΔH
かなり高い +10cm ≤ ΔH < +20cm
やや高い +5cm ≤ ΔH < +10cm
例年並 -5cm ≤ ΔH < +5cm
やや低い -10cm ≤ ΔH < -5cm
かなり低い -20cm ≤ ΔH < -10cm
甚だ低い ΔH < -20cm

※平成23年(2011年)東北太平洋沖地震の影響による地盤変動の影響が大きいことから、宮古、大船渡、鮎川、小名浜については概況を記載していません。

1月

紀伊半島から四国地方にかけての沿岸及び瀬戸内海東部でかなり~やや高く、北海道地方の一部の沿岸、奄美地方、与那国島地方の沿岸でやや高い状態でした。一方、三宅島でやや低い状態でした。

2月

三宅島でかなり高く、東海地方から四国地方の太平洋側沿岸の一部と北海道地方の一部でやや高い状態でした。一方、大東島地方でかなり低く、父島、石垣島地方でやや低い状態でした。

3月

北海道地方の一部、近畿日本海側から山陰にかけての沿岸、九州北部地方の一部および三宅島でやや高い状態でした。一方、奄美地方でかなり低い状態でした。

4月

大東島地方でやや高い状態でした。また、北海道太平洋側、東北日本海側、関東地方の沿岸の一部や奄美地方でやや低い状態でした。

5月

紀伊半島と西日本太平洋側でかなり~やや高い状態でした。また、三宅島でやや高く、大東島地方でかなり低い状態でした。

6月

大東島地方でやや低い状態でした。

7月

大東島地方で甚だ高く、三宅島、父島、山陰の沿岸及び石垣島地方でやや高い状態でした。

8月

北日本、東日本から西日本にかけての日本海側、熊野灘から四国地方の太平洋側でかなり〜やや高い状態でした。また、瀬戸内海東部、三宅島及び大東島地方でやや高い状態でした。

9月

東海地方の一部、西日本太平洋側の沿岸でかなり高く、九州北部地方の沿岸でやや~かなり高く、北海道地方及び山陰の一部、奄美地方、沖縄本島地方の沿岸、父島でやや高い状態でした。

10月

八重山地方の沿岸でかなり低く、三宅島、九州の沿岸の一部および奄美地方の沿岸でやや低い状態でした。

11月

伊豆諸島、東海地方及び西日本の近畿北部を除く沿岸でかなり~やや高く、奄美地方、大東島地方及び与那国島地方の沿岸でやや低い状態でした。

12月

石垣島地方でかなり高く、三宅島でやや高い状態でした。 一方、父島、九州南部の沿岸や九州西岸の一部でやや低い状態でした。

月平均潮位偏差分布

2022年の月平均潮位と最近5年間(2017~2021年)の各月の平均値との差(ΔH)


は例年より高いことを、は例年より低いことを示します。

白黒の図はこちら


高潮

2022年に最大潮位偏差50cm以上の高潮は15回発生しました。大きな潮位偏差を記録した地点及び最大潮位偏差と主な要因は次のとおりです。なお、同一現象により発生した最大潮位偏差50cm以上の高潮が5地点を超えた場合は、潮位偏差の大きい上位5地点及び最大潮位偏差50cm以上の高潮を記録した全地点数を記載します。*は当該期間に欠測があったことを示します。

1月1日

能登51cm(冬型気圧配置)

1月12〜14日

能登*77cm、花咲74cm、釧路61cm(前線を伴った低気圧と冬型気圧配置)

2月16〜18日

能登75cm(低気圧及び冬型気圧配置)

2月21〜22日

網走58cm(低気圧及び冬型気圧配置)

3月6〜7日

能登60cm(冬型気圧配置)

3月19日

石廊崎54cm(低気圧)

3月26〜27日

境56cm、浜田55cm、舞鶴54cm(低気圧)

4月15〜16日

三宅島(坪田)*113cm、石廊崎*88cm、父島52cm(台風第1号及び台風第1号から変わった低気圧)

6月6日

名古屋64cm、鳥羽55cm(低気圧)

8月23日

稚内50cm(低気圧)

8月31日〜9月7日

苓北116cm、大浦64cm、稚内64cm、対馬比田勝63cm、浜田59cm、計9地点(台風第11号及び台風第11号から変わった低気圧)

9月17〜20日

種子島*158cm、鹿児島*137cm、油津119cm、土佐清水103cm、枕崎95cm、計24地点(台風第14号及び台風第14号から変わった低気圧)

11月26~27

稚内50cm(前線を伴った低気圧)

12月14日

能登67cm(冬型気圧配置)

12月23〜24日

能登91cm、花咲82cm、釧路63cm(低気圧及び冬型気圧配置)

【訂正のお知らせ】解説文について、下線部のとおり訂正しました。(2023年3月20日)

津波

2022年に観測された津波、潮位変化は次のとおりです。なお、津波、潮位変化の高さとして、津波情報で使用されている「最大の高さの波」(津波、潮位変化がなかったとした場合の海面からの高さが最大となる波)を掲載します。括弧内には最大波高(全振幅)を併記します。*は観測精度0.1mの巨大津波観測計によって観測された値を示します。

1月15~16日

1月15日に発生したフンガ・トンガ‐フンガ・ハアパイ火山の噴火に伴い、奄美で134cm(258cm)、土佐清水で100cm(137cm)など、全国で潮位変化を観測しました。

3月16~17日

3月16日に発生した福島県沖の地震に伴い、仙台港で0.2m*(0.4m)、相馬で0.2m*(0.3m)など、東北地方から関東地方にかけての太平洋側で津波を観測しました。

【更新のお知らせ】1月15日のフンガ・トンガ‐フンガ・ハアパイ火山の噴火の潮位変化の観測値を追加しました。(2023年3月20日)
【訂正のお知らせ】解説文について、下線部のとおり訂正しました。(2023年3月20日)

異常潮位

2022年に記録された顕著な異常潮位は、次のとおりです。

7月中旬

大東島地方では、海水温が周囲に比べて高く、海面の盛り上がりを伴う「暖水渦」が接近したことが主な原因とみられる異常潮位が観測されました。この異常潮位により、最大で+35cmの潮位偏差を観測しました。

8月上旬~8月下旬

北陸地方の沿岸の一部では、西よりの風が吹き続けていることが原因の一つとして考えられる異常潮位が観測されました。この異常潮位により、最大で+25~28cmの潮位偏差を観測しました。

副振動

2022年に観測された最大全振幅が100cm以上の顕著な副振動は、次のとおりです。

3月22日

枕崎107cm、長崎107cm

このページのトップへ