台風第4号と梅雨前線による大雨と暴風 平成19年(2007年)7月1日~7月17日
沖縄から東北南部の太平洋側にかけての広い範囲で大雨。
沖縄、西日本の太平洋側と伊豆諸島で暴風。
災害状況
死者6名、行方不明者1名、負傷者79名
住家全壊26棟、半壊26棟、一部損壊218棟
床上浸水420棟、床下浸水2,993棟など
(消防白書より)
概要
7月9日09時にカロリン諸島近海で発生した台風第4号は、フィリピンの東海上を北西に進みながら大型で非常に強い勢力に発達し、13日には沖縄本島の西海上を北上した。14日には九州に接近し、同14時過ぎに大型で強い勢力のまま鹿児島県大隅半島に上陸した。その後、勢力を弱めながら、15日にかけて四国から本州の南岸を東に進み、16日09時に日本の東海上で温帯低気圧に変わった。
台風の通過した沖縄地方、西日本の太平洋側と伊豆諸島では暴風となり、13日には沖縄県金武町金武(キン)で最大風速33m/s、14日は宮崎県日南市油津(アブラツ)で最大瞬間風速55.9m/sなど観測史上最大となった。また、沖縄本島近海から四国沖にかけては波の高さが10mを超える猛烈なしけとなり、沖縄本島や瀬戸内海の一部では高潮が発生した。
一方、九州付近では、台風発生前の7月1日から梅雨前線の活動が活発となった。6日から7日には九州地方の広い範囲と四国地方の一部で大雨となり、10日から12日には九州、近畿、東海地方の一部で大雨となった。台風が沖縄地方を通過した13日には、本州上に停滞する梅雨前線に向かって台風から暖かく湿った空気が流入し、西日本の太平洋側を中心に大雨となった。14日から16日は台風の通過に伴い西日本から東北南部の太平洋側の広い範囲で大雨となった。また、16日から17日にかけては、近畿地方で局地的な大雨があった。
1日から17日までの総雨量は、沖縄地方と九州地方から東北地方の太平洋側を中心に7月の月間平均雨量の2倍を超え、宮崎県えびの市えびので1,107mmが観測されるなど各地で記録的な大雨となった。
この期間、大雨で増水した河川への転落などにより、西日本を中心に死者6名、行方不明者1名となり、沖縄地方から東北南部で住家損壊、土砂災害、浸水害等が発生し、また、農業・林業・水産業被害や鉄道の運休、航空機・フェリーの欠航等の交通障害も発生した。