竜巻等の突風データベース

≪突風の種類≫

 本データベースでは、突風を以下の種類に分類しています。

• 竜巻
  積乱雲に伴う強い上昇気流により発生する激しい渦巻きで、多くの場合、漏斗状または柱状の雲を伴います。
• ダウンバースト（マイクロバーストも含む）
  積乱雲から吹き降ろす下降気流が地表に衝突して水平に吹き出す激しい空気の流れです。
• ガストフロント
  積乱雲の下で形成された冷たい（重い）空気の塊が、その重みにより温かい（軽い）空気の側に流れ出すことによって発生します。
• じん旋風（つむじ風を含む）
  じん旋風は、晴れた日の日中などに地表付近で温められた空気が上昇することにより発生する渦巻きです。
  つむじ風は、地形や建物などに風が当たった影響で地表付近に発生する渦巻きで、寿命は短く、被害が生じることはまれです。
  じん旋風、つむじ風ともに、積雲や積乱雲に伴うものではありません。
• 不明（現象が特定できない突風）
  

 現象を特定できない場合でも、わかる範囲で以下の分類を用いています。

• 竜巻またはダウンバースト
• 竜巻または漏斗雲（2007年以降の突風事例のみ）
• ダウンバーストまたはガストフロント（2007年以降の突風事例のみ）

 ※「竜巻」「ダウンバースト」「ガストフロント」の特徴につきましては「竜巻などの激しい突風とは」を参照してください。

≪突風の強さ≫

 突風の強さは、以下のとおり表記しています。

• 藤田スケール（～2016年3月31日）
  藤田スケールは、米国シカゴ大学の藤田教授が1971年に考案した竜巻等突風の強さを表現する指標です。被害調査から風速を簡便に推定することができます。藤田スケール0 は「F0」と表記します。
• 日本版改良藤田スケール（2016年4月1日～）
  日本版改良藤田スケールは、従来竜巻等突風の強さの評定に用いてきた「藤田スケール」を最新の風工学の知見を基に改良し、2016年4月より使用しています。日本版改良藤田スケール0は「JEF0」と表記します。

≪突風の発生地点・消滅地点≫

 突風の発生地点・消滅地点は、以下のとおり定義しています。

• 竜巻の場合、地上に痕跡が認められた最初の地点を発生地点とし、最後の地点を消滅地点としています。
• ダウンバーストの場合は風の発散する中心を発生地点としますが、中心は被害が少ないことが多いことから、確定することが困難な場合は被害域の概ね中心を発生地点としています。
• ガストフロント、その他、不明の場合は、地上に痕跡が認められた最初の地点が明らかな場合は発生地点とし、それ以外は被害域の概ね中心を発生地点としています。

≪収録した事例およびデータ≫

 以下の条件に該当した事例（*1）について、詳細な調査を行ったうえで、収録しています。
 ア　2007年以降  　　：すべての突風事例（*2）
 イ　1991年～2006年：すべての突風事例（*2、*3）
 ウ　1961年～1990年：以下のいずれかの条件に該当した突風事例（*3）

• 藤田スケールの推定値2以上
• 死者1名以上
• 負傷者20名以上
• 住家、非住家の全壊5棟以上
• 住家、非住家の半壊20棟以上

 これらの事例について、現象区別や発生日時・場所など基本的なデータに加え、死傷者数・住家被害数等の詳細なデータも収録しています。
 また、2007年以降の事例については、調査結果を取りまとめた資料を作成した場合、参考資料としてこれを収録しています。
 さらにウの条件には該当しない突風事例についても、できる限り把握し、それらも収録しています。

≪被害状況のデータ≫

 事例に収録している死傷者数・住家被害数等の被害状況は、調査の際、関係機関（自治体、防災機関等）に提供いただいた情報を元にしています。
 最新の情報は、必要に応じて関係機関にご確認ください。
 また、調査を行った際に死傷者数・住家被害数等の有無が判明しなかった場合は、死傷者数・住家被害数等は不明（突風事例一覧では「空白」）として収録しています。