要素ごとの値の補足説明
1.降水量
(1)最小単位
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最小単位の変更履歴は下表のとおりです。
気象台等 | アメダス | |
---|---|---|
降水量 | 0.1 mm (~1967年12月31日) *1 0.5 mm (1968年1月1日~) *2 |
1 mm (~2008年3月25日) 0.5 mm (2008年3月26日~) |
*2 1976年~1989年はアメダスと同様に1時間降水量を1mm単位で表示している地点があります。
最小単位未満の降水があった場合、なかった場合の記録方法は下表のとおりです。
気象台等*4 | アメダス | |
---|---|---|
降水があった場合 | 0.0 mm | 0.0 mm |
降水がなかった場合 | - *3 | 0.0 mm |
*4 1885年以前(一部の例外を除き)は、記録方法が統一されておらず、降水があった場合でも「−」、降水がなかった場合でも「0.0mm」と表示している場合があります。このため、この期間は”日降水量0.0mm以上の日数”を統計していません。
一部の例外として、下表の地点の期間においては、「−」と「0.0mm」の区別はできています。
地点名 | 期間 |
---|---|
寿都 | 1884年6月1日~ |
宮古 | 1883年3月1日~ |
金沢 | 1885年1月1日~ |
伏木 | 1886年5月1日~ |
境 | 1883年1月1日~ |
(2)統計方法
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統計方法の変更履歴は下表のとおりです。
気象台等 | アメダス | |
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最大1時間降水量 | 任意の時分の極値 | 毎正時値の極値(~2002年12月31日) 毎10分値の極値(2003年1月1日~アメダスの観測方法変更日の前日) 任意の時分の極値(アメダスの観測方法変更日~) |
気象台等*5・アメダス | |
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最大N時間降水量 (N=1,3,6,12,24,48,72) |
毎正時値の極値(~2002年12月31日) 毎10分値の極値(2003年1月1日~) |
(3)1990年以前の降水量に関する補足
1990年以前の降水量をご利用の際は、以下の事項にご注意ください。
* 1990年以前には、降水量を数時間ごとに観測していたことがあります。その場合、1時間ごとの値のページでは、欄を広げて数時間ごとの降水量を表示しています。例えば、4時間ごとに観測している場合では欄の幅を4時間分に広げて、その4時間の降水量を表示しています。
* 1日分の降水量を量る測器と時間ごとに降水量を量る測器が異なる場合、一日の境(日界)が現在のように24時でなく、9時や22時としていた場合は、日降水量と時間ごとの降水量の日合計が一致しないことがあります。また1976年1月~1989年3月の1時間ごとの降水量でアメダスの値を用いている地点では、24時間の合計が日降水量と一致しないことがあります。
* 1日分の降水量を量る測器と1時間ごとに降水量を量る測器が異なる場合、日合計を一致させるために時間ごとの降水量を補正している場合は、最大1時間降水量より1時間ごとの降水量が大きいことがあります。
* 北海道の一部の気象台・測候所では、測器の仕様が異なる時期があり、1時間ごとの降水量データがないことがあります。
(4)気象台等の日最大1時間・10分間降水量に関する補足
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気象台等における2008年6月24日以前の日最大1時間降水量は、前日23時30分から翌日0時30分までの連続した1時間の降水量の最大値です。日最大10分間降水量は、前日23時55分から翌日0時05分までの連続した10分間の降水量の最大値です。これらの起時は降水の降り終わりの時分で、起時が前日の場合は時分の前に「昨」を、翌日の場合は「翌」を付けて表示します。
一方、2008年6月25日以降の日最大1時間降水量は、前日23時01分から当日24時00分までの連続した1時間の降水量の最大値です。同様に日最大10分間降水量は、前日23時51分から当日24時00分までの連続した10分間降水量の最大値です。
(5)N 時間降水量について
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気象台等とアメダスでは、N 時間降水量(N = 1、3、6、12、24、48、72)を求めており、「詳細(N 時間降水量)」から確認できます。N にかかわらず同じ統計方法を用いているため、時間の長さの違いによる降水の特徴を知ることに適しています。一方、N = 1と24については、次の様に異なる統計方法の統計値も求めています。目的に応じてご利用ください。
気象台等では、最大 N 時間降水量(N = 1、24)以外に、時間間隔や日界の異なる最大1時間降水量と最大24時間降水量を求めています。 これは、「主な要素」や「詳細(気圧・降水量)」から確認できます。N 時間降水量と比べて統計期間が長いという特徴があります。
アメダスでは、アメダスの観測方法変更日以降、毎10分値の極値である最大 N 時間降水量(N = 1)以外に、任意の時分の極値である最大1時間降水量も求めています。 これは、「主な要素」や「詳細(降水量)」から確認できます。最大N時間降水量(N = 1)よりも統計期間は短いですが、任意の時分の極値であるため、より精緻な結果を得られるという特徴があります。また、両者を区別するため、過去の気象データ検索では気象台等も含めて N 時間降水量における統計を「最大1時間降水量(10分間隔)」と表示しています。
2.気温
(1)統計方法
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統計方法の変更履歴は下表のとおりです。
気象台等 | アメダス | |
---|---|---|
日最高気温 日最低気温 |
任意の時分の極値 | 毎正時値の極値(~2002年12月31日) 毎10分値の極値(2003年1月1日~アメダスの観測方法変更日の前日) 任意の時分の極値(アメダスの観測方法変更日~) |
なお、日最低気温の日界(一日の区切り・境界)は下表のとおりです。(南鳥島、昭和を除く)
期間 | 日界の時刻 | |
---|---|---|
日最低気温 | 1960年12月31日以前 | 地点により異なる |
1961年1月1日~1963年12月31日 | 9時(全国一律) | |
1964年1月1日以降 | 24時(全国一律) |
3.風
(1)最小単位
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統計方法の変更履歴は下表のとおりです。
気象台等 | アメダス | |
---|---|---|
風速 | 0.1 m/s | 1 m/s (~アメダスの観測方法変更日の前日) 0.1 m/s (アメダスの観測方法変更日~) |
(2)統計方法
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統計方法の変更履歴は下表のとおりです。
気象台等 | アメダス | |
---|---|---|
日最大風速 | 毎10分値の極値(~2008年6月24日) *6 任意の時分の極値(2008年6月25日~) *6 |
毎正時値の極値(~2002年12月31日) 毎10分値の極値(2003年1月1日~アメダスの観測方法変更日の前日) 任意の時分の極値(アメダスの観測方法変更日~) |
日最大瞬間風速 | 0.25秒ごとの風速の極値(~2007年12月3日) *7 0.25秒ごとの風速を3秒平均した風速の極値(2007年12月4日~) *7 |
0.25秒ごとの風速を3秒平均した風速の極値 |
*7 深浦は2007年12月5日に変更しました。
(3)1924年以前の平均風速、最大風速の補正
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1924年12月31日までのロビンソン風速計は風速を過大に表示してしまう特性がありました。このため、平均風速、最大風速の1924年以前のデータは1925年以降のデータと比較できるよう換算しています。詳しくは気象観測統計の解説第3章 品質と均質性をご覧ください。
(4)日最大風速が日最大瞬間風速を上回るケースについて
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1975年までは、平均風速と最大風速を求める測器(ロビンソン風速計、三杯風速計など)と、最大瞬間風速を求める測器(ダインス自記風圧計など)が異なっていたため、測器の特性や設置場所の違いなどから、日最大風速が日最大瞬間風速を上回る場合がありますが、これは異常ではありません。
特に、最大瞬間風速の観測にダインス自記風圧計を使用していた1937年から1966年においては、 風速が弱い場合に、この傾向が出やすくなっています。
なお、1958年から1966年にかけてダインス自記風圧計は、風車型風向風速計に順次切り替えられています。
4.日照時間
(1)「1~10位の値」の1989年以前の日照時間の補正
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気象台等では、1986(昭和 61)年1月1日から1990(平成 2)年1月1日にかけて、日照の観測に用いる測器を、それまで使用してきたジョルダン式日照計から回転式日照計に変更しました。
観測測器の変更前と変更後でデータの均質性を保つため、気象庁ではジョルダン式日照計により観測した統計値を下表のように補正し、統計開始からの極値・順位値、及び平年値を求めています。
過去の気象データ検索ページ上では、「観測史上1~10位の値」のページで表示する月間日照時間については補正後の値、「月ごとの値」のページで表示する月間日照時間については補正前の値を表示しています。
なお、観測測器を変更した時期は、上記の期間内で、観測地点によって異なります。
ジョルダン式の観測値 | 回転式への換算 | |
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半旬 | 12.5時間以上 | 2.5時間を差し引く |
12.5時間未満 | 0.8を掛ける | |
旬 | 25.0時間以上 | 5.0時間を差し引く |
25.0時間未満 | 0.8を掛ける | |
月 | 75.0時間以上 | 15.0時間を差し引く |
75.0時間未満 | 0.8を掛ける | |
年 | 各月の値を合計して求めた値 |
(2)2021年の「推計気象分布(日照時間)」による推計値の導入
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アメダスの日照時間について、2021年3月2日から、気象衛星観測のデータを用いた「推計気象分布(日照時間)」から得る推計値としました。
日照計による観測値と推計値は性質が異なるため、それまでの日照計による観測値との統計を切断し、平年値については推計値相当の値に補正しています。
2021年3月1日までの日照計による観測値の極値・順位値については、2021年3月1日までの地点ごとの観測史上1位~10位の値(日照時間) (フォーマット表)をご覧ください。
なお、気象台等の日照時間については日照計による観測を継続します。このため、2021年3月2日以降の日照時間は、気象台等とアメダスで単純に比較することはできませんので、並記する場合などはご注意ください。
(3)10分ごとの値と1時間ごとの値の表示方法の違いについて
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日照時間の「10分ごとの値」は1分単位として小数を切り捨てて表示しています。また、「1時間ごとの値」は0.1時間単位として小数第2位を四捨五入して表示しています。このため「10分ごとの値」を足し合わせても「1時間ごとの値」と一致しないことがあります。なお、日・半旬・旬・月・3か月・年ごとの値は、1時間ごとの値を元に計算しています。
10分ごとの値 | 1時間ごとの値 | |
---|---|---|
表示 方法 |
10分間の観測値(秒単位)を 1分単位(小数切り捨て)で表示 |
1時間の観測値(秒単位)を 0.1時間単位(小数第2位を四捨五入)で表示 |
5.雪
(1)最小単位
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降雪の深さ・積雪の深さの最小単位は1cmです。
最小単位未満の降雪・積雪があった場合、なかった場合の記録方法は下表のとおりです。
降雪の深さ | 気象台等(積雪計による自動観測) | 気象台等(目視観測) | アメダス |
---|---|---|---|
降雪があった場合 | - | 0 cm | 0 cm |
降雪がなかった場合 | - | - | 0 cm |
積雪の深さ | 気象台等(積雪計による自動観測) | 気象台等(目視観測) | アメダス |
---|---|---|---|
積雪があった場合 | 0 cm *8 | 0 cm | 0 cm |
積雪がなかった場合 | - | - | 0 cm |
* 降雪があったが、観測時には融けてその深さを計ることができない場合は、降雪の深さを「0cm」としています。ただし、積雪計による自動観測を実施する地点では「-」としています。
* 気象台等(目視観測)の地点の日最深積雪は、定時観測の値及び大雪臨時観測の値の中の最大値としています。積雪はあったが、定時観測及び臨時観測時には融けてその深さを計ることができなかった場合は「0cm」としています。
* 平成30年11月27日以降、気温や湿度などから明らかに雪が降っていない気象状況と判断できる場合は、降雪の深さの観測値を即時的に自動で0cm にするよう品質管理処理を改善しました。詳細は地上気象観測種目(降雪の深さ)をご覧ください。
(2)統計方法
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統計方法の変更履歴は下表のとおりです。
気象台等 | アメダス | |
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降雪の深さ日合計 | 1日2回または3回の降雪の深さの合計(積雪計による自動観測への変更前) 1日24回の降雪の深さの合計(積雪計による自動観測への変更後) |
1日24回の降雪の深さの合計 |
降雪の深さと積雪の深さの日界(一日の区切り・境界)は下表のとおりです。
日界の時刻 | |
---|---|
気象台等(積雪計による自動観測) | 24時 |
気象台等(目視観測、21時の観測がある地点) | 21時 |
気象台等(目視観測、21時の観測がない地点) | 9時 |
アメダス | 24時 |
* 「年ごとの値」の雪に関する統計項目は、寒候年の値を表示しています。寒候年とは、前年8月1日から当年7月31日までの期間のことです。例えば、2008年寒候年は2007年8月1日から2008年7月31日までの期間を示します。
(3)N 時間降雪量について
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気象台等とアメダスでは、N 時間降雪量(N = 3、6、12、24、48、72)を求めており、「詳細(N 時間降雪量)」から確認できます。N にかかわらず同じ統計方法を用いているため、時間の長さの違いによる降雪の特徴を知ることに適しています。
いずれの地点でも積雪計による自動観測結果をもとに統計を実施しており、これが可能となった時点からの統計値を表示しています。また、いずれの地点でも最小単位や日界は「アメダス」に従います。