5.1(1) 夏と冬のヒートアイランド現象の比較 関東地方
概要
関東地方における夏と冬のヒートアイランド現象の比較
図1 関東地方における夏のヒートアイランド現象
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関東地方における9年間(2009~2017年)平均した8月の平均気温(左図、単位:℃)と都市化の影響による平均気温の変化(右図、単位:℃)の分布 |
図2 関東地方における冬のヒートアイランド現象
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関東地方における9年間(2010~2018年)平均した1月の平均気温(左図、単位:℃)と都市化の影響による平均気温の変化(右図、単位:℃)の分布 |
解説
関東地方における夏と冬のヒートアイランド現象の違いを、蓄積されている最近9年間のシミュレーション結果を用いて調べました。使用データは、夏が2009年から2017年までの8月、冬が2010年から2018年までの1月のものです。9年間平均した結果(図1~図2)を比較すると、8月に比べて1月の方が、都市化の影響が大きいことがわかります。この原因は主に夜間のヒートアイランド現象の違いにあると考えられます。夜間における都市がある場合とない場合の気温差は主に放射冷却の違いが関連し、都市がある場合はない場合と比べて放射冷却が弱まります。また、冬は夏と比べて放射冷却の効果が大きいため、冬の方が夏と比べて都市化の影響が大きくなると考えられます。
また、関東地方では、都市化の影響による気温上昇量の大きい領域が、8月は内陸部に、1月は沿岸部を中心に現れています。これは、それぞれの季節で卓越する天候や風(季節風)等が違うことに影響されていると考えられますが、更なる調査が必要です。
参考
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