ヒートアイランド現象

ここでは、ヒートアイランド現象の実態の把握に資する情報や最新の科学的知見をとりまとめています。ヒートアイランド現象の現状を知っていただくとともに、その対策のための基礎資料としてご利用ください。なお、観測データは年に一回定期的に更新していますので、最新の情報をご利用ください。


新着情報

  • 2023.7.3 観測データを2022年まで更新しました(次回更新予定:2024年7月)

ヒートアイランド現象とは

ヒートアイランド現象:観測データ編

観測データをもとに、大都市注1における気温や湿度等の長期変化傾向を示します。なお、都市ごとの情報を掲載しているページのタイトル部分には*を付けています。

(注1)ここで「大都市」とは、地上気象観測地点がある全国の主要都市の中から、地域的に偏りなく分布するように選出した11都市(札幌、仙台、東京、横浜、新潟、名古屋、京都、大阪、広島、福岡、鹿児島)のことを指しています。

1   気温

概要(図をクリックすると関連する解説ページへ移動します)

  • 大都市注1では、気温が長期的に上昇しているとみられ、特に日最低気温の上昇率が大きい。これは地球温暖化に加えて、都市化の影響が現れているものと考えられる。
  • 気温の長期的な上昇は、夏に最小となる都市が多い。
  • 1950年代後半から1970年頃にかけて東京などの大都市と15地点平均注2の差が急速に広がった。
  • 都市化率注3が大きい地点ほど気温の上昇率が大きい傾向がある。
  • 長期的に、冬日は減少しているとみられ、熱帯夜や真夏日、猛暑日は増加しているとみられる。
(注2)全国の地上気象観測地点の中から、観測データの均質性が長期間確保でき、かつ都市化等による環境の変化が比較的小さい地点から、地域的に偏りなく分布するように選出した15地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、多度津、宮崎、名瀬、石垣島)の平均。ただし、これらの観測点も都市化の影響が全くないわけではありませんが、同じ15地点の平均から算出される日本の平均気温の上昇率は、日本近海の海域を平均した年平均海面水温の上昇率**と同程度の値であり、都市化の影響が比較的小さいと考えられます。(**1900〜2022年までのおよそ100年間にわたる日本近海における海域平均海面水温(年平均)の上昇率は、+1.24°C/100年(気候変動監視レポート2022))
(注3)ここでは、平成28年度調査時の観測地点において、観測地点を中心とした半径7kmの円内における人工被覆率(平成28年度版国土数値情報土地利用3次メッシュ(1kmメッシュ)における建物用地、道路、鉄道、その他の用地の占める割合)を都市化率と定義しています。
東京・名古屋・大阪の3都市平均と都市化の影響が比較的小さいとみられる15地点平均の年平均気温偏差の経年変化及びその差の経年変化 気温(平均気温、日最高気温、日最低気温)の年平均変化率と都市化率の相関図 横浜の年間猛暑日日数の経年変化
東京・名古屋・大阪の3都市平均と都市化の影響が比較的小さいとみられる15地点平均の年平均気温偏差の経年変化及びその差の経年変化 気温(平均気温、日最高気温、日最低気温)の年平均変化率と都市化率の相関図 横浜の年間猛暑日日数の経年変化

解説

2   湿度

概要(図をクリックすると関連する解説ページへ移動します)

  • 都市化により、相対湿度が長期的に低下していると考えられる。
  • 相対湿度の低下率は、梅雨時期に最小となる都市が多い。
  • 都市化率注3が大きい地点ほど相対湿度の低下率が大きい傾向がある。
  • 霧日数は減少しているとみられる。
横浜における年平均相対湿度の経年変化 年平均相対湿度変化率と都市化率の相関図 東京における霧日数の経年変化
横浜における年平均相対湿度の経年変化 年平均相対湿度変化率と都市化率の相関図 東京における霧日数の経年変化

解説

3   降水

概要(図をクリックすると関連する解説ページへ移動します)

  • 降水量や大雨の変化傾向には都市化との明確な関連性は確認されていない。
年降水量の長期変化傾向 年最大1時間降水量の長期変化傾向 年最大1時間降水量の長期変化傾向
大阪における年降水量の長期変化傾向 京都における日降水量50mm以上の日数の長期変化傾向 福岡における年最大1時間降水量の長期変化傾 向

解説

4   資料

大都市注1における気温、降水量等の長期変化傾向について、図表と解説を掲載しています。

参考資料

ヒートアイランド現象:調査・研究編

5   夏と冬のヒートアイランド現象の比較

都市気候モデルを用いて再現した、関東、東海、近畿の各地方における夏と冬のヒートアイランド現象の違いを、2009~2017年の9年間のシミュレーション結果を用いて調べました。

概要(図をクリックすると関連する解説ページへ移動します)

  • 都市化の影響は夏より冬の方が大きい。
関東地方の8月の平均気温(2009~2017年の各8月のシミュレーション結果の平均) 関東地方の都市化の影響による8月の平均気温の変化(2009~2017年の平均) 関東地方の1月の平均気温(2010~2018年の各1月のシミュレーション結果の平均) 関東地方の都市化の影響による1月の平均気温の変化(2010~2018年の平均)
関東地方の8月の平均気温(2009~2017年の各8月のシミュレーション結果の平均) 関東地方の都市化の影響による8月の平均気温の変化(2009~2017年の平均) 関東地方の1月の平均気温(2010~2018年の各1月のシミュレーション結果の平均) 関東地方の都市化の影響による1月の平均気温の変化(2010~2018年の平均)

解説

詳しい内容はこちらをご覧ください。

参考資料

過去の更新情報

  • 2022.7.6 観測データを2021年まで更新しました
  • 2021.6.30 観測データを2020年まで更新しました
  • 2020.6.30 観測データを2019年まで更新しました
  • 2019.7.11 ヒートアイランド現象のページを開設しました

過去のヒートアイランド監視報告

観測データをもとにした監視結果や、都市気候モデルを用いて再現された大都市のヒートアイランド現象の解析結果等を掲載しています。これまでの報告から得られた知見はヒートアイランド現象の「知識・解説」にも掲載しています。

2011年~2017年(雲・降水過程を含む都市気候モデルを用い、晴れの日だけでなく曇りや雨の日も含めて調査)
2004年~2010年(雲・降水過程を含まない都市気候モデルを用い、晴れの日のみを調査)

関連情報

熱中症に備えるための情報をまとめた気象庁のページです。
ヒートアイランド現象に関連する国土交通省の取組を紹介するページです。
ヒートアイランド対策やヒートアイランド対策大綱、熱中症情報を紹介している環境省のページです。

Adobe Reader

このサイトには、Adobe社Adobe Readerが必要なページがあります。
お持ちでない方は左のアイコンよりダウンロードをお願いいたします。

このページのトップへ