4.3 大都市及び都市化の影響が比較的小さいとみられる15地点平均の月平均気温の長期変化傾向
ここでは気象庁の観測データを基に、大都市及び都市化の影響が比較的小さいとみられる15地点平均(注1)の月平均気温のこれまでの変化を示します。
(注1) 全国の地上気象観測地点の中から、観測データの均質性が長期間確保でき、かつ都市化等による環境の変化が比較的小さい地点から、地域的に偏りなく分布するように選出した15地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、多度津、宮崎、名瀬、石垣島)の平均。ただし、これらの観測点も都市化の影響が全くないわけではありませんが、同じ15地点の平均から算出される日本の平均気温の上昇率は、日本近海の海域を平均した年平均海面水温の上昇率**と同程度の値であり、都市化の影響が比較的小さいと考えられます。(**1908~2023年までのおよそ100年間にわたる日本近海における海域平均海面水温(年平均)の上昇率は、+1.28°C/100年(気候変動監視レポート2023))
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地点 | 都市化率(注3)(%) | 平均気温変化率(℃/100年) | |||||||||||
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1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | ||
札幌 | 71.9 | 3.4 | 3.5 | 3.7 | 2.8 | 3.0 | 2.8 | 2.0 | 1.6 | 3.1 | 2.5 | 2.5 | 2.7 |
仙台 | 74.4 | 2.9 | 3.2 | 3.7 | 2.8 | 2.9 | 2.5 | 1.5 | 1.4 | 2.5 | 2.8 | 2.7 | 2.7 |
東京※ | 89.2 | 4.1 | 4.4 | 4.3 | 3.1 | 3.1 | 2.5 | 2.1 | 2.4 | 2.9 | 3.5 | 4.0 | 4.1 |
横浜 | 56.0 | 3.3 | 4.0 | 4.1 | 2.9 | 2.8 | 2.2 | 1.7 | 2.1 | 2.5 | 3.1 | 3.2 | 3.1 |
新潟※ | 42.6 | 2.6 | 2.8 | 3.0 | 2.5 | 2.8 | 1.8 | 1.3 | 1.6 | 2.6 | 1.9 | 1.6 | 1.4 |
名古屋 | 88.5 | 3.0 | 3.6 | 3.9 | 3.0 | 3.0 | 2.6 | 1.8 | 2.7 | 3.2 | 3.4 | 3.0 | 2.3 |
京都 | 63.1 | 2.6 | 3.1 | 3.6 | 3.0 | 3.0 | 2.5 | 1.9 | 2.7 | 2.8 | 3.1 | 2.8 | 2.0 |
大阪※ | 92.0 | 2.4 | 3.4 | 3.3 | 2.8 | 2.4 | 2.2 | 1.5 | 2.4 | 3.1 | 3.3 | 2.6 | 1.8 |
広島※ | 54.7 | 1.8 | 2.3 | 3.2 | 2.0 | 2.3 | 2.6 | 0.4 | 1.8 | 2.1 | 3.2 | 2.4 | 0.7 |
福岡 | 67.7 | 3.0 | 3.7 | 3.9 | 3.3 | 3.4 | 2.6 | 1.8 | 2.6 | 3.4 | 4.4 | 3.5 | 2.0 |
鹿児島※ | 37.9 | 2.9 | 2.9 | 3.6 | 2.7 | 2.4 | 2.1 | 1.4 | 2.4 | 2.8 | 3.4 | 2.6 | 1.8 |
15地点平均※ | 18.4 | 1.7 | 2.2 | 2.5 | 1.8 | 1.9 | 1.7 | 1.1 | 1.3 | 1.7 | 1.8 | 1.5 | 1.0 |
数値ファイル(csv形式) | 月平均気温の長期変化傾向 |
100年あたりの変化率を示す。統計期間は1927年から2023年まで。都市ごとに、一年で最も変化傾向の大きい月の数値は赤字、最も変化傾向の小さい月の数値は青字で示している。また、斜体字灰色セル(数値ファイルでは*を付加した値)は信頼水準90%以上で統計的に有意な変化傾向がないことを意味する。表中の15地点は、都市化の影響が比較的小さいとみられる15地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、多度津、宮崎、名瀬、石垣島)の平均を表している。なお、※を付した5地点(東京、新潟、大阪、広島、鹿児島)及び都市化の影響が比較的小さいとみられる15地点中の2地点(飯田、宮崎)は、観測場所の移転に伴い移転前のデータを補正しており、公開されている観測データとは値が異なる。
(注2)表中の統計期間は、国内主要都市の統計値が揃う1927年以降としています。
(注3)ここでは、平成28年度調査時の観測地点において、観測地点を中心とした半径7kmの円内における人工被覆率(平成28年度版国土数値情報土地利用3次メッシュ(1kmメッシュ)における建物用地、道路、鉄道、その他の用地の占める割合)を都市化率と定義しています。