WMO第Ⅱ地区放射センター

日射計の較正体系

 世界気象機関(WMO:World MeteorologicalOrganization)は、均質で高精度の日射観測データを得るため、世界放射センターを頂点に、世界6地区に地区放射センターを定め、各国に国家放射センターの設置を勧告し 日射計の較正体系を確立しています。各放射センターは、日射計の世界、地区および国家の基準器を維持・管理しています。
 日本(気象庁)は1965年にインドと共にWMO第Ⅱ地区(アジア)放射センターに指名され5年ごとにアジア地区内の希望国を対象に日射計相互比較を実施し、所有する地区基準器を通じて、世界 放射基準(WRR)の伝達を行うことにより、アジア地区内及び国内の日射観測測器の精度維持に貢献しています。

日射計の較正体系

WMOにおける日射計の較正体系

地区日射計比較

第Ⅱ地区(アジア)日射計比較観測風景
(茨城県 筑波山)


地区基準器の維持

 気象庁では、WMO第Ⅱ地区(アジア)放射センターとして3台の地区基準器を維持するため、5年ごとに世界放射センター(スイス連邦・ダボス) で開催される国際日射計比較に参加し、 世界基準器群(6台の基準器)から求めた世界放射基準との比較較正により地区基準器のWRRに対するトレーサビリティを確保しています。

世界放射センター

世界放射センター(スイス連邦 ダボス物理気象観測所)

世界基準器群

世界基準器群

国際日射計比較

国際日射計比較観測風景

世界放射センターHPより転載)


WMO第Ⅱ地区放射センター活動内容

気象庁がWMO第Ⅱ地区放射センターとして実施した活動内容を以下の表に示します。


活動年 内容 刊行物
1964年
日本国-インド2国間比較観測参加(於:プーナ)
1965年
WMO第Ⅱ地区放射センターに指名される。(日本国・インド)

「第4回 第Ⅱ地区協会会議」で決定
1968年
日本国-タイ王国2国間比較観測開催(於:つくば)
1970年
第3回国際日射計比較観測参加(於:スイス連邦・ダボス)
1973年
国際日射スケール(IPS-56)勧告 (測器観測法委員会)
1975年
日本国-中華人民共和国2国間比較観測開催(於:つくば)

第4回国際日射計比較観測参加(於:スイス連邦・ダボス)
1978年
世界放射基準(WRR)勧告 (測器観測法委員会)
1980年
第5回国際日射計比較観測参加(於:スイス連邦・ダボス)
1983年
日本国-香港2国間比較観測開催(於:つくば)
1985年
第6回国際日射計比較観測参加(於:スイス連邦・ダボス)
1989年
第1回第Ⅱ/Ⅴ地区合同比較観測開催(於:つくば)

参加 : 日本、インド、オーストラリア、中華人民共和国、香港、イラン・イスラム共和国、マレーシア
1990年
第7回国際日射計比較観測参加(於:スイス連邦・ダボス)
1994年
日本国-タイ王国2国間比較観測開催(於:つくば)
1995年
日本国-中華人民共和国2国間比較観測開催(於:つくば)

日本国-大韓民国2国間比較観測開催(於:つくば)

第8回国際日射計比較観測参加(於:スイス連邦・ダボス)
1996年
大韓民国 日射計較正技術に関する研修実施(於:つくば)
1997年
日本国-大韓民国・香港 3国間比較観測開催(於:つくば)

フィリピン共和国 日射計較正技術に関する研修実施(於:つくば)
2000年
第9回国際日射計比較観測参加(於:スイス連邦・ダボス)
2002年
日本国-大韓民国・香港 3国間比較観測開催(於:つくば)
2005年
第10回国際日射計比較観測参加(於:スイス連邦・ダボス)
2007年
第2回第Ⅱ地区日射計比較観測開催(於:つくば)

参加 : 日本、中華人民共和国、大韓民国、香港、世界放射センター(WRC)
2010年
第11回国際日射計比較観測参加(於:スイス連邦・ダボス)
2012年
第3回第Ⅱ地区日射計比較観測開催(於:つくば)

参加 : 日本、大韓民国、香港、タイ王国、世界放射センター(WRC)
2015年
第12回国際日射計比較観測参加(於:スイス連邦・ダボス)
2017年
第4回第Ⅱ/Ⅴ地区合同日射計比較観測開催(於:つくば)

参加 : 日本、中華人民共和国、大韓民国、香港、オーストラリア、ソロモン諸島、世界放射センター(WRC)
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