外洋波浪図の見かた

外洋波浪図の日時について

日時を説明するための図です

日時は、協定世界時(UTC;日本標準時との時差は9時間)で表示しています。

この例の場合、外洋波浪図の日付は、"250000UTC AUG 2016"となっており、 協定世界時で2016年8月25日午前0時(日本時間で同午前9時)の波浪の状況を示した図であることを表しています。

波の高さについて

等高線を説明するための図です

波の高さ(波高)は、等高線による分布で表示しています。等高線は、2メートルから8メートルまでは1メートル毎に、8メートル以上については2メートル毎に実線で示しています。 この実線は4メートル毎に太線になっています。

2006年~2015年の外洋波浪図には、波高2メートル未満の海域に ”<2”の記号を表示しています。

なお、波浪図に表示されている波高は、有義波高です。 実際の個々の波には、有義波高より高い波も含まれるので注意が必要です。

波の向きついて

波の向きを説明するための図です

波の向き(波向)は、白抜きの矢印で表示しています。矢印が示す方向に波が進んでいることを表しています。

波向を方角で表す場合は、風向と同様に波が来る方角で示します。この図の例では、波はおおむね南から北へ進んでいますので、波向は南となります。

波向は、波高2メートル以上の海域に対し、2016年以降の外洋波浪図では数値波浪モデルで推定した波の向きを緯度・経度5度の間隔で表示し、2006年~2015年の外洋波浪図では、最も卓越していると思われる波の向きを表示しています。

また、次に示す船舶から通報されたうねりにも、矢印で波向を表示しています。

船舶から通報された観測値について

船舶資料を説明するための図です

外洋波浪図では、船舶から通報された観測値を掲載しています。通報された船の位置は小さな○で表示しています。

海上風は、○に接続する国際式天気図の風速記号(矢羽)で表示しています。矢羽の向き(羽が付いている側が風上)で風向を示し、羽の数で風速を示しています。風速の単位は、ノット(※)です。 矢羽の風速は5ノット単位の表示で、1本の長い羽が10ノット、短い羽が5ノット、三角形の羽が50ノットをそれぞれ意味しており、これらの合計で風速を表します。

波浪については船舶からの通報がある場合、「周期(単位:秒)/波高(単位:メートル)」の様式で数字を○の側に記載しています。 船舶の波浪観測では風浪とうねりを区別しており、通報内容に応じてそれぞれを併記しています。上段は風浪で、波向は常に風向と一致しており、矢羽の向きで示しています。下段はうねりで、波向は数字の左側の矢印で示しています。なお、風浪やうねりを観測していない場合は数字を表示しません。また、うねりは2方向表示する場合もあります(その場合は3段表示になります)。

上図の例では、風向は南、風速は20ノット、風浪については周期が2秒、波高は1.5メートル、うねりについては向きは南から、周期は8秒、波高は2メートルであることを表しています。

※ノット
1ノットはおよそ0.5メートル毎秒で、風や船舶が1時間に1海里、すなわち緯度で1分を進む速さです。

ブイの観測値について

(気象庁漂流ブイ)

気象庁漂流ブイを説明するための図です

(NOAA定置ブイ)

NOAA定置ブイを説明するための図です

気象庁が日本周辺海域に展開している漂流型海洋気象ブイロボット(漂流ブイ)、 及び米国海洋大気庁(NOAA)が展開している定置ブイによる波浪の観測値を掲載しています。 ブイの位置は○と×を重ねた記号で表示しています。

観測値は、「周期(単位:秒)/波高(単位:メートル)」の様式で四角で囲った数字を記号の下に記載しています。 さらに、風を観測しているブイは、船舶と同じ様式の矢羽で表示しています。

この図の例では、北海道の東にある気象庁漂流ブイが観測した波浪は、周期が8秒・波高1.4メートル、 アラスカ周辺海域にあるNOAA定置ブイが観測した波浪は、周期は8秒、波高は2.1メートル、 風向は南、風速は15ノットであることを表しています。

高気圧・低気圧などについて

(低気圧と前線)

低気圧を説明するための図です

(高気圧)

高気圧を説明するための図です

(台風)

台風を説明するための図です

外洋波浪図には、高気圧・低気圧の中心位置と中心気圧及び前線の位置を掲載しています。 これらの情報は同時刻の気象庁天気図から引用しています。 天気図と同様に位置記号(○と+を重ねたもの)の上に高気圧をH、低気圧をL、熱帯低気圧をTDと表記し、 台風については、最大風速で分類した階級(T・STS・TS)と台風番号を位置記号の右下に掲載しています。 台風に関する情報は、図の左上に掲載しています。

ハリケーンを説明するための図です

台風が東経180度より東に進んで西経域に入った場合、中心付近の最大風速が64ノット以上のものをハリケーン(Hurricane)と呼び、 34ノット以上64ノット未満のものをトロピカルストーム(Tropical Storm)と呼びます。

これとは逆に、西経域で発生したハリケーンまたはトロピカルストームが西経180度より西に進み、東経域に入った場合は台風となります。

この図の例では、北緯18度・西経179度付近に中心気圧925hPaのハリケーンがあったことを表しています。

台風に関する情報について

台風情報を説明するための図です

台風に関する詳細な情報を表示しています。台風番号、台風名、中心気圧、中心位置を記載しています。

この図の例の場合、2016年の台風第10号(台風番号:1610、台風名:LIONROCK)は、中心気圧945hPaで、 台風の中心は北緯23.6度・東経131.1度 にあったことを表しています。

台風番号の前の T・STS・TSは、最大風速による台風の分類を示しています。 詳しくは「台風に関する用語」をご参照ください。 台風名の後の( )内の数字は、台風の国際共通番号です。この国際共通番号は日本の台風番号と同一のものです。

沿岸波浪計の観測値について

波浪計の観測値を説明するための図です

外洋波浪図の左上の表には、6地点すべての気象庁沿岸波浪計の観測値を掲載しています。

上段がWMO国際地点番号の下3桁、下段が観測値で、観測値は「周期(単位:秒)/波高(単位:0.1メートル)」の様式で数字を表示しています。 波高は有義波高で表示し、機器の故障などにより観測データが取得できないときには、"X"を表示します。 番号と設置地点の対応は、「波浪観測地点詳細」を参照してください。

左の図の例では、地点番号"656"の石廊崎では、周期7秒、波高0.8メートルの波が観測されたことを示しています。

海氷について

海氷を説明するための図です

海氷がある場合、海氷縁を青色の x 印で表示しています。